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立大・田中誠也が投打に躍動!完全復活を印象づける330日ぶり白星、734日ぶり完封【4/20 春季東京六大学野球 1回戦 明治大学 vs 立教大学】

東京六大学野球春季リーグの第2週1日目が行われた。第2試合では先週の慶大戦で連敗を喫した立大が、この日は投打が噛み合って明大に4対0で先勝した。

リーグ戦初勝利となった2017年4月17日以来2度目の完封勝利を挙げた田中

 立大の田中誠也(4年・大阪桐蔭)が、テンポ良く気迫を押し出した投球スタイルで持ち味を存分に発揮して、昨春の5月26日以来の白星を挙げた。昨秋は疲労の蓄積による左肘痛に悩まされて未勝利に終わっていただけに、完全復活を印象づける投球だった。
 8安打を許すなど初回から走者を出しながらも、自身で「ピンチで粘れたことが一番良かったです」と振り返ったように、要所で三振や凡打を奪い勝利をたぐり寄せた。
 4回に江藤勇治(4年・東海大菅生)のタイムリー、5回に暴投で2点の援護を受けた後の6回に2アウトから連打を浴びてピンチを招くが、緩いチェンジアップで空振り三振を奪い雄叫びを挙げた。打者は長打力のある和田慎吾(4年・常総学院)で、緩い球を投げるには勇気も必要な場面だったが「“打たれたら藤野のせい”というくらいに信じて投げました」と爽やかな笑顔で振り返った。

 7回には先頭打者に安打を許したが後続の打者を空振り三振と投手ゴロ併殺、8回には走者を二塁に置いて最後は空振り三振、最終回は打者2人を出して特大ファウルも打たれたが動じることは無く、完封で試合を締めた。
 昨秋のリーグ戦終了後から、しばらくノースローで肘の療養に努め、その間は下半身のウェイトトレーニングや食事、プロテインにより約6キロの増量に成功。「球速の平均が上がりました」と話したように、相手がチェンジアップを警戒していると見るや、ストレートで押すこともできた。
 また打ってもドラフト上位候補右腕の明大・森下暢仁(4年・大分商)からセンター前とレフト前に運んで2安打。野球小僧のようにグラウンドで縦横無尽に躍動する田中の姿が帰ってきた。

 

捕手の藤野隼大ともバッテリーを組んで3年目。息の合ったコンビネーションを見せた

■明治大vs立教大1回戦
明大 000000000=0
立大 00011200X=4
【明】●森下、入江、磯村-篠原
【立】○田中誠-藤野

◎立教大・溝口智成監督
「田中らしい投球でしたね。先週の試合も田中は悪くなかったので、打撃陣に奮起を促してきました。“コンパクトにセンターから逆方向に強い打球を”“低めに手を出さない”ということができたと思います」

得点が入り喜ぶ立大ベンチと田中(写真手前)

今季は打率.500と打撃も好調な田中


文・写真=高木遊