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【MLB】イチローが現役生活に終止符!「時間が経てば、今日が一番であることは間違いない」

「米大リーグ」 イチローが現役引退  試合終了後再登場し、ファンの声援に応えるマリナーズのイチロー外野手=21日、東京ドーム【写真提供:共同通信社】


 21日に行われたMLB開幕第2戦で、マリナーズのイチローが「9番・ライト」でスタメン出場。試合中に今季限りでの引退報道が流れた中、4打数ノーヒットのまま8回で交代した際には、守備についた全員がベンチ前まで戻り、すべての選手と抱擁を交わし、スタンドのスタンディングオベーションに両手を上げて応えた。試合終了後も、大勢残ったファンの大声援を浴びた。試合終了後に引退会見を行ったイチローは「最後はこのユニフォームを着て引退を迎えることができて幸せに思います」とマリナーズに敬意を表し、「ずっと応援してくれた方々やチームメイトに感謝したい」と周囲に感謝した。

 引退を決意した時期を「キャンプの終盤に入った時」と明かしたイチローは「もともと日本でプレーするところまでが契約上の予定だったが、キャンプでもオープン戦でも結果が出せず、それを覆すことができなかった」と、決断に至るまでの経緯を話し、引退の理由として「昨年、チームに戻してくれて本当に嬉しかった。マリナーズ以外には行くつもりがなかったのが一番」とシアトルへの思いを口にした。

 MLB最後の試合の舞台が日本となったが「日本人は感情を表現するのが苦手だと思っていたが、その考えが完全に覆された」と、試合後に大きな声援を送り続けたファンの姿に感激を隠せなかった。「今日の球場での出来事。あんなものを見せられたら、後悔なんてない」と清々しい表情で、「時間が経てば、今日が一番であることは間違いない」と、19年間のメジャー生活で最高の瞬間とした。

 終わることのない報道陣の質問を受け続けたイチローは、自身の野球観からプロ野球人生の思い出、後輩への思いなどを1時間半近く喋り続け、会見が終わったのは深夜1時20分を過ぎていた。「ヒットを一本打ちたかった。期待に応えたかった。僕にも感情はあるんですよ」と報道陣を笑わせたレジェンドは「雄星のデビューの日に引退というのも、ちょっといいかなと思った」と最後の舞台を振り返った。「自分は体を動かしていないと気が済まないタイプ。たぶん、明日もトレーニングと思いますよ」と、今後について話し「次は違う形の野球。草野球を極めるんじゃないかな」と野球愛も見せた。

 質問が途切れず、終わりの様相を見せない会見だったが「今日はとことん付き合うつもりだったけど、お腹がすいたし、そろそろ帰りますか」と、最後はイチローらしい表現で報道陣に別れを告げた。