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侍ジャパン

菅野&千賀“完全”仕上げ、開幕投手同士が超ハイレベル競演

 ◇オープン戦 巨人4―3ソフトバンク(2019年3月14日 ヤフオクD)

<ソ・巨>6回2死二、三塁今宮を打ち取り、無失点に抑えた菅野は手を叩いて喜ぶ(撮影・森沢 裕)

 次元が違う。巨人・菅野智之投手(29)とソフトバンク・千賀滉大投手(26)が14日、オープン戦で先発登板。公式戦、オープン戦を通じて初めて投げ合った。お互いに5回まで完全と譲らず、菅野は6回2安打無失点、千賀は7回1安打無失点に抑えた。侍ジャパンで17年WBCにともに出場した両右腕。それぞれ開幕投手を務める日本を代表する2人が、圧巻の投手戦を展開した。

 両右腕が並んでブルペンに立ったのは、17年WBCの準決勝前。アリゾナ州のドジャース施設で日の丸を背負い、投球練習を行った。気温は灼熱(しゃくねつ)の35度だった。2年後、共に開幕投手を務める菅野と千賀が初めて投げ合った。

 菅野 初回から凄いボール投げていましたし、負けられないなと。開幕前に凄くいい勝負ができてよかった。

 互いに5回まで完全投球。当時のように「熱」を帯びる。自軍の攻撃が2死になるとベンチ前でキャッチボールを始める。視線は自然とマウンドに向く。

 千賀 (菅野は)凄いの一言じゃ片付けられない。このピッチングを常日頃からやってるので、恐ろしいピッチャー。刺激をもらった。

 7回1安打無失点の千賀は7回2死まで完全。自己最速にあと1キロに迫る157キロを3球計測した。初回を3者凡退に抑えると、菅野がマウンドに向かう。勝敗は関係ない調整登板だが「本能的にあれだけのピッチャーですから」と気持ちはオープン戦の枠を超える。上林、今宮を連続三振。柳田を149キロ直球で二ゴロに抑えた。

 2年前。1―2で惜敗した米国との準決勝は菅野―千賀でリレーした。菅野はそれまで計8回1/3を5失点で、千賀は9回無失点。試合前は「準決勝は千賀でいくかもしれないな…、と複雑な心境だった」。当時の小久保監督からは「今、日本で一番いい投手」と大一番を託されたが、大会後、ポジション別の優秀選手に選出されたのは「お化けフォーク」で世界を驚かせた千賀だった。菅野には「僕の持っていないところを全て兼ね備えている」という思いがある。

 6回先頭で菅野が先に安打を許したが、松田宣のバットをへし折っての三塁内野安打。2暴投と、続く牧原の三塁内野安打で無死二、三塁としたが、さまざまな球種を駆使して後続を断ち、1点も許さなかった。5回はへし折った福田のバットをいったん避け、同方向に転がったボールを冷静に処理して投ゴロに。「一瞬でやることが多かった」と笑った。

 6回無失点。菅野にはもう一つ、「彼が持っていないものを僕が持っている」という思いもある。抜群の制球力。8奪三振の千賀は全88球のうち、40球が150キロを超えた。菅野は68球のうち3球だったが、千賀のストライク率67%に対して75%と上を行き、当然のごとく無四球で6三振を奪った。

 菅野 凄く刺激的な試合だった。もう残された時間も限られている。やり尽くしたと思って開幕戦を迎える。

 両投手から外野に打球を飛ばした打者は3人だけ。計3安打は全て内野安打だった。 (神田 佑)

 ▼巨人原監督 素晴らしい投手戦。(菅野は)自分の役割を分かっている。(千賀は)一つ一つに精度、パワーがあった。ああいうピッチャーを育てないといけない。

 ▼ソフトバンク工藤監督 お互いに「一本も打たせない」という気持ちが出ていた。

 ▼ソフトバンク松田宣(6回先頭で菅野から両軍初安打となる三塁内野安打)オープン戦でこんな投手戦は経験がなかった。緊張感が公式戦さながらだった。

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