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外野争いがますます熾烈に―ソフトB上林、オフの取り組みが凝縮された一発


熾烈な外野争いが、さらにヒートアップしてきた。ソフトバンクの宮崎キャンプ第4クール最終日となった19日。紅白戦で若手のホープが強烈にアピールした。上林誠知、21歳。この日、チームの実戦第1号となる本塁打を放つなど、2安打2打点をマークした。

■紅白戦で大黒柱・和田から“チーム1号”、「力が抜けたいいスイング」

 熾烈な外野争いが、さらにヒートアップしてきた。ソフトバンクの宮崎キャンプ第4クール最終日となった19日。紅白戦で若手のホープが強烈にアピールした。上林誠知、21歳。この日、チームの実戦第1号となる本塁打を放つなど、2安打2打点をマークした。

 衝撃のアーチは、初回に飛び出した。「6番・左翼」で出場し、2死三塁で迎えた打席。昨季の最多勝、最高勝率の2冠に輝いた大黒柱・和田毅の初球をジャストミートした。138キロの高めの真っすぐ。打球は右翼の福田秀平のはるか頭上を越え、芝生席へと飛び込んでいった。

「初球、ファーストストライクはどんどん振っていこうと思っていた。力が抜けたいいスイングが出来ました」と振り返った上林。驚かされたのは、そのスイング。決してフルスイングをしたわけではない。力が抜け、軽く振っての一発だったことが、進化を感じさせた。

 このオフ、食事量を増やし、積極的なウエートトレーニングを取り入れた。その結果、一冬越す間に、体重は一気に10キロ増えた。打撃フォームも、先に腕を出し、後から腰が付いてくる、ヘッドがより走る形に挑戦した。キャンプでは連日、居残りでロングティー打撃を行う。その時もフルスイングではなく、ある程度、力が抜けたスイングで次々にスタンドへボールを運ぶ。この日の一発は、取り組んで来たことが凝縮されたものだった。

■外野1枠を争う熾烈な争い、「結果にこだわってやっていきたい」

 6回の第3打席では、ドラ1右腕の田中正義から右前へクリーンヒット。前日18日の紅白戦では、外野手の座を争う真砂勇介が2本の二塁打を放ったが、それに負けない活躍を見せた。

 ソフトバンクの外野手争いは厳しい。現状で柳田悠岐と中村晃は当確。残る1枠を上林、真砂、この日3打数3安打と打ちまくった福田秀平、2013年に最多安打のタイトルを獲った実力者の長谷川勇也、そして吉村裕基らが争う形だ。

「去年は(オープン戦などで)結果が出なかったので、結果にこだわってやっていきたい」。上林か、真砂か、はたまた福田か、長谷川か。その座を争う男たちから、目が離せない。

福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani

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