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制球難「不安だった」DeNA熊原を変えた番長の言葉…「天井に向かって投げろ」


捕手が構えたミットに、次々と白球が吸い込まれていった。DeNA・熊原健人投手が11日、沖縄・宜野湾キャンプでブルペン入り。第3クール初日から68球を投げた2年目右腕は、ある手応えを感じていた。

■2年目右腕が感じる手応え「『こう投げたらストライクになる、ボールになる』がわかる」

 捕手が構えたミットに、次々と白球が吸い込まれていった。DeNA・熊原健人投手が11日、沖縄・宜野湾キャンプでブルペン入り。第3クール初日から68球を投げた2年目右腕は、ある手応えを感じていた。

「もともとコントロールが悪くて、去年はストライクが取れるかどうか不安だった。でも、今は『こうやって投げたらストライクになる、ボールになる』っていうのがわかってきました」

 仙台大からドラフト2位で入団した昨季。即戦力として期待されながら、1勝にとどまった。その原因となったのは本人も分析している制球難。春季キャンプで独特なフォームを審判にボークと指摘され、フォーム修正を余儀なくされた。最速154キロを誇る剛腕は、ボールを思うように操ることができなかった。

 そんな背番号1を変えたのは、ある大先輩の言葉が大きかったという。

 プロ入り初の今オフ。熊原は年明けから三嶋、石田、山崎康が神奈川・厚木で行う自主トレに参加した。引退した三浦大輔氏が昨年まで統率していた「番長組」。その期間中、実際に視察に訪れた三浦氏から助言をもらった。

■ボールを天井に向けて投げる…「最初は全然できなかった」

「立ったまま、その場で左手も使いながら、ボールを天井に向けて投げる練習をするように三浦さんにアドバイスをいただいたんです」

 それによって、投球に変化が生まれた。

「石田さんは普通に天井に投げられていたのに、僕は最初全然できなかったんです。でも、その練習をしたら体の使い方のバランスとタイミングがわかるようになってきて、コントロールが良くなったと思います」

 この日のブルペンも、成果の一端だった。

 昨年は中継ぎで起用される機会が多かったが、先発ローテ定着を狙う。「去年は全然ダメだったので、今年は変なプレッシャーもなく、チャレンジャーとして自分らしくアピールしていきたい」と笑顔で話した。

 2年目を迎える今シーズン。番長の金言で背番号1が覚醒すれば、19年ぶりの優勝を狙うDeNAの起爆剤となる。

白井京子●文 text by Kyoko Shirai

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