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復帰2年目のダルビッシュ 米サイトは「球界最高の一人と見るのが妥当」


レンジャーズのダルビッシュ有投手は今年、メジャー6年目のシーズンに臨む。今季限りで6年契約が満了し、オフにはフリーエージェント(FA)となる右腕の去就について、地元メディアは早くも大きな関心を寄せているが、果たして、ダルビッシュは期待通りの活躍を見せられるのか。

■シーズン終了後には大型契約との予想も…「大金を得るかもしれない」

 レンジャーズのダルビッシュ有投手は今年、メジャー6年目のシーズンに臨む。今季限りで6年契約が満了し、オフにはフリーエージェント(FA)となる右腕の去就について、地元メディアは早くも大きな関心を寄せているが、果たして、ダルビッシュは期待通りの活躍を見せられるのか。

 米スポーツサイト「ブリーチャーレポート」は「ユウ・ダルビッシュは冬には大金を得るかもしれない」とのタイトルで特集を組んだ。地元紙「ダラス・モーニング・ニュース」では、レンジャーズ番を務めるエバン・グラント記者が、ダルビッシュと再契約を結ぶには年俸3000万ドル(約33億7000万円)×5~6年程度の条件が必要になると予想していたが、同サイトは「総額1億5000万ドル(約170億円)を越える契約を獲得した投手は、5人しかいない」と指摘。“スーパーエース級”の契約を手にするために、今季のダルビッシュに必要な3つのポイントを挙げている。

 ダルビッシュはメジャー2年目の2013年に32試合登板で13勝9敗、防御率2.83、209回1/3でリーグトップの277奪三振という好成績を残し、サイ・ヤング賞投票で2位に入った。ただ、翌2014年はシーズン途中で離脱。2015年はトミー・ジョン手術で全休となり、昨年5月に復帰して17試合登板で7勝5敗、防御率3.41の成績でフィニッシュした。最近3年間はフルシーズンを戦っていないが、MLB球団が重視するセイバーメトリクスの指標ではトップクラスの数値がいくつもある。

 記事では、2012年以降に600イニング以上を投げた投手の中で、防御率が平均値に比べてどれだけ優れているかを示すERA+で129、被OPS(出塁率+長打率)で.645と、ダルビッシュがいずれもトップ10入りの数字を残していることを紹介。さらに、奪三振率11.3は「ベストの数字」だとしている。これらは、2013年を最後にフル稼働できていないダルビッシュが米国内で高い評価を受けている理由の一つで、能力はまさに「スーパーエース級」と見られている。トミー・ジョン手術からの復帰2年目となる今季、実力通りの投球を見せれば、価値はさらに高まるはずだ。

■ダルビッシュに今季必要は3つのポイントとは?

 そして、同サイトが今季必要な3つのポイントの1つ目として挙げているのが、まさに「健康を保つこと」。つまり、離脱することなくシーズンを過ごすことだ。過去の“離脱歴”を振り返りながら、「ダルビッシュが大型契約を得るには、200イニング以上を投げ抜けることを見せなければならないだろう」と指摘。故障のリスクを減らすことが必要だと訴えた上で「ポジティブな傾向としては、ダルビッシュはスライダーの投球頻度を減らしている。13年には30.7%であったが、16年には17%まで減少している」という事実に言及した。

 2つ目は「左打者対策」。ただ、これについてはすでに改善傾向にあるという。「ダルビッシュは左打者(被OPS.671)よりも右打者(被OPS.609 )を得意としている。しかし、これは昨季変化した。ダルビッシュは左打者を被OPS.607とキャリアで最も抑え、奪三振率もキャリアベストであった」。これが継続できれば、今季は期待できそうだ。

 左打者を抑え始めた中での「大きな違い」として挙げられているのが、“ピッチングスタイル”の変化。記事では、MLB公式サイトから、ダルビッシュの「左打者の内角によりフォーシーム(直球)を投げるようにしたことが、効いていると感じています」というコメントを引用。15年までは左打者に投じたフォーシームが全体の27.6%だったのに対して、16年は42.3%まで上昇していたというデータも持ち出している。

 そして、「内角へのフォーシームは直接的な要因とはなっていないが、ゾーンを広く使うことにつながっている」と分析。外角低めへの直球が生きることとなり、被安打.223に抑えられていると結論づけた。

■ポイントを抑えれば「彼への疑念は払拭される」

 3つ目のポイントは、ダルビッシュへの“提案”だ。成績向上のため、「高めの直球を試してみるべき」だという。

 まずは「スライダーはダルビッシュにとってスペシャルな球種だ。被打率.156はPITCH/fxが導入されてから、最も低い数字となっている」と、“宝刀”の切れ味が現在メジャーNO1だと紹介。Pitch-f/xとは、投球速度や投球軌道を追跡するスピード測定器システムだ。ただ、前述したとおり、ダルビッシュはスライダーの割合を減らし始めている。

 そこで「もう一つ武器を加えることは悪くはない」と指摘。スピードや回転数から見て、ダルビッシュの直球は大きな武器になるとしている。これまで高めの直球での被弾率が高いという事実があるものの、復活を遂げたタイガースのジャスティン・バーランダー投手はこの方法で成功を収めているため、ダルビッシュも試す価値があるというのだ。

 記事では最後に「16年にトミー・ジョン手術から予定通りの復帰を遂げたダルビッシュだが、今季は球界最高の投手の一人として見るのが妥当だろう」と分析。3つのポイントをしっかり抑えれば、「彼への疑念は払拭される」としている。日本人初のサイ・ヤング賞にも大きな期待がかかるシーズンだけに、大暴れに期待したいところだ。

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