BASEBALL GATE

社会人野球

社会人出身のドラ1は出るのか?山岡、谷岡ら即戦力投手に注目。

ドラフト展望「社会人•独立リーグ編」

■即戦力が期待される投手陣

 昨年は1位指名を受けた選手が1人もいなかった社会人野球。今年のプロ野球でも飛び抜けた活躍はなかったものの、投手では2位で指名された日本ハムの加藤貴之(新日鉄住金かずさマジック)、ロッテの関谷亮太(JR東日本)がシーズン途中から先発ローテーションに定着。野手ではDeNA4位の戸柱恭孝(NTT西日本)、楽天6位の足立祐一(パナソニック)と2人の捕手がチャンスをつかみ、存在感を示した。
 さて、今年の有望投手に目を転じると、山岡泰輔(東京ガス)の上位指名が確実。最速152キロのストレートに加え、キレのあるスライダーを軸に多彩な変化球を持つ逸材だ。完成度が高く、即戦力として1年目から活躍が期待される。山岡と同じく高卒3年目の谷岡竜平(東芝)も候補の1人。力のあるストレートに縦スライダーやフォークを交える本格派で、2年目の昨年に続いて、今年も2年連続で都市対抗初戦の先発を務めた。

ドラフトの見方がザックリわかる「BGドラフト展望」配信中!

 大卒選手では、酒居知史(大阪ガス)に注目だ。抜群のコントロールを持ち、入社1年目から久慈賞・若獅子賞をダブル受賞してチームの都市対抗準優勝に貢献した。北出浩喜(パナソニック)は、酒居とは対照的に力で押すタイプ。最速152キロのストレートは威力十分で、投げっぷりの良さも魅力だ。やや変則的なフォームが特徴の角田皆斗(富士重工業)は、数字以上に速く感じるキレのある直球と豊富な球種が武器。サイドスロー転向で急成長を遂げた平井克典(Honda鈴鹿)は、今年の都市対抗でチームを8強に導いた立役者だ。
 左腕では、土肥星也(大阪ガス)が注目される。長身から繰り出す直球には伸びがあり、高卒3年目と将来性にも期待が持てる。ダイナミックなフォームが持ち味の池田駿(ヤマハ)は、今年の都市対抗予選で見せた2試合連続完封勝利が鮮烈だ。

■二遊間に逸材がそろう野手陣

 野手に目を向けると、注目選手が二遊間に多く集まっている。中でも、今年の都市対抗でチームの初優勝に貢献した源田壮亮(トヨタ自動車)が筆頭株だ。堅実ながら華麗さも見せる遊撃守備は特に評価が高く、課題とされた打撃面でも着実な成長を見せた。同じく遊撃手の中山悠輝(東京ガス)も注目の1人。ダイナミックなプレーが持ち味の大型内野手で、昨年は高卒2年目にして社会人日本代表入りを果たした。
 二塁手では、峰下智弘(大阪ガス)が候補に挙がる。今年の都市対抗予選では全試合で安打を放った巧打者だ。広角に安打を打ち分ける糸原健斗(JX-ENEOS)は、球際に強い守備も魅力。パンチ力に定評がある長谷川拓真(JR東日本)は、一塁、三塁を守れる器用さも併せ持った存在だ。

■チャンスが広がる独立リーガーたち

 昨年は巨人の三軍創設もあり、過去最多の12人(うち入団辞退1人)が指名された独立リーグの選手たち。四国アイランドリーグplusでは、徳島インディゴソックスの福永春吾に注目だ。最速153キロのストレートと鋭いスライダーが武器の本格派右腕で、今季は2年連続の最多奪三振に輝いた。平良成(高知ファイティングドッグス)も候補の1人で、今季はクローザーに転向して最多セーブを獲得。空振りが取れる変化球を持ち、奪三振率の高さが魅力だ。野手では吉田圭志(愛媛マンダリンパイレーツ)に注目。今季は主にリードオフマンを務め、リーグ3位の打率3割1分3厘を記録。実弟の吉田嵩(現・中日)に続き、兄弟でのNPB入りを目指す。
 ルートインBCリーグからは、安江嘉純(石川ミリオンスターズ)が候補の筆頭に挙がる。最速151キロのストレートと多彩な変化球を武器に、今季は防御率1.79、16勝1敗と圧倒的な成績を残した。山崎悠生(群馬ダイヤモンドペガサス)は、今季セットアッパーとして急成長。42試合に登板して防御率0.98と、抜群の安定感でチームのリーグ優勝に貢献した。野手では岡下大将(福島ホープス)が注目株。長打力を備えた大型遊撃手で、今季は12本塁打をマーク。リーグ3位の出塁率.430を残した選球眼も魅力だ。

※データは全て2016年10月11日終了時点