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プロ野球

阪神・陽川、周囲のサポートに感謝し誓った「恩返し」のアーチ

 数多くの「支え」に、力はみなぎった。昨年、6本塁打、48打点をマークし飛躍のきっかけをつかんだ阪神・陽川尚将内野手(27)が、同僚の福永春吾投手(24)と和歌山県上富田町の上富田スポーツセンターで行っていた自主トレを8日に打ち上げた。

和歌山・上富田での自主トレを行った(左から)福永、陽川、土屋氏

 「上富田スポーツセンター」は、和歌山県上富田町が管理、運営し、多目的グラウンド、テニスコート、球技場、ウエート場も併設。これまで数多くの競技団体が大会直前キャンプなどの拠点にして国際大会で好成績を収めた“パワースポット”だ。野球場も、両翼98メートル、中堅122メートルと広く、ウエスタン・リーグの公式戦も行われている。阪神時代の赤星憲広氏(本紙評論家)も自主トレで使用。陽川も知人の協力を得て、プロ3年目の16年から年明けの始動場所としてきた。

 打席を独占しての屋外フリー打撃など、贅沢な練習が実現しているのも、脇を固める男たちがいるからこそ。球場関係者、母校・東農大のチームメートなどが、練習を日々、サポートしてくれた。「福永と2人では、できることも限られてくる。素晴らしい環境で練習できるのも、周りの人のおかげ。手伝ってくれた人たちに感謝して1軍で結果を出したい」と恩返しを誓う。

 さらに、6日からは12年から昨年まで阪神に在籍し1、2軍のトレーナーを歴任してきた土屋明洋氏(41)がサポートで駆けつけた。急勾配の坂道ダッシュを陽川、福永に1日10本以上課すなど、かつての“同僚”に容赦ないハードメニューを課した同氏は「2人とも下半身中心に、しっかりと追い込みました。陽川は(右肘手術の)リハビリ中ですが、かなり動けている印象」と上々の仕上がりを明言。信頼を置く土屋氏に打ち上げまでの3日間の強化メニューを指揮してもらい、陽川も「3日間、ずっと筋肉痛でしたけど、和歌山まで来てもらって、本当にありがたいです」と感謝した。

 「食」の面でも、昨年に続き、関係者の計らいで、球場近くの山に生息していた猪、鹿などを調理した「ジビエ料理」も胃袋に運んだ。高たんぱく、低カロリー、鉄分やミネラル、ビタミンB群も豊富な猪肉、鹿肉も“相棒”に。グラウンドでのメニューを終えると、球場に隣接するウエート場にこもり肉体強化。仲間だけでなく、大自然の後押しも受けて、和歌山を離れた。

 本職は内野で三塁は大山、一塁は助っ人勢のナバーロ、マルテとライバルは強力。「出られるチャンスを考えれば、しっかり両方を練習してどっちでも出られるように」と出場機会を増やすため外野挑戦にも意欲を示す。「昨年、手術をして秋季キャンプも行っていなくて出遅れている。1月で何とか状態を上げていけるように」。和歌山で背中を押してくれた多くの人たちへ恩返しのアーチをかける。

(記者コラム・遠藤 礼)

 ○…陽川、福永のトレーニングをサポートした土屋明洋氏(41)は、昨季限りで阪神を退団し、2月4日にパーソナルコンディショニングジム「COUGS(クーグス)」をオープンする。ジム名は、米国に留学し、初めてアスレチックトレーニングを学んだワシントン州立大学のマスコット「COUGARS」に由来。同氏は「7年間、一緒に時間を過ごしてきたタイガースの選手にも使ってもらえたら」と話している。ジムのホームページは【https://www.cougs.jp】