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プロ野球

障害者支援と野球振興を同時に実現 中日・吉見の「アゲインボールプロジェクト」

今日2月1日は、各球団がキャンプインし、いよいよプロ野球シーズンが本格的にスタートする日。そんな中、今年12年目のシーズンを迎える中日ドラゴンズの吉見一起投手。近年は故障に悩まされてきたが、昨年は2013年の右肘靭帯再建手術以降最多となる6勝を記録。今シーズンは「200回投げること」を目標としており、5年ぶりのAクラス入り、6年ぶりのリーグ優勝に向けて、復活した吉見投手に大きな期待がかかる。

◆障害者の支援と野球振興が同時にできる慈善活動

そんな吉見投手が2015年から取り組んでいる慈善活動が「アゲインボールプロジェクト」だ。このプロジェクトでは、全国の学校やチームから破損した野球の硬式ボールを集め、埼玉県の障害者就労支援施設「夢工房翔裕園」に再生を依頼。自立を目指す障害者の方々がそのボールを修繕し、吉見投手がそれらを買い取って全国の少年野球チームに寄贈する。修繕済みのボールを買い取る際に発生する収益が、障害者の方々の工賃となる。

プロジェクトの意義は、「生産活動を創造して障害者の自立を支援すること」そして「ボールの寄贈を通して野球振興を行うこと」の二つ。つまり、このプロジェクトでは障害者就労支援と野球振興を同時に行っているということだ。「再生されたアゲインボールを使うことで、子供たちには物を大切にする心も育んでもらいたい。障害者の方々の支援にもつながるので、少しでも貢献できればと思います」と吉見投手は語っている。

◆支援活動が勝利へのモチベーションに

プロジェクトを開始した2015年シーズンは、背番号19にちなんで19ダースのアゲインボールを購入し、「一般財団法人 日本リトルシニア中学硬式野球協会東海連盟」を通して全国の少年野球チームに寄贈した。2016年シーズン分からは勝利数に応じて寄贈することにしており、現在施設では720球(2016年は6勝で60ダース)のアゲインボールを生産中だ。

「たくさん支援するためには僕がたくさん勝たないといけないので、まず勝つことですね。支援活動ではありますが、僕にとっても戦うモチベーションになります。僕のプレーを通して、この活動を少しでも多くの人に知ってもらえたらと思います。アゲインボールを作るためにはボールを集めなくてはならないので、全国の野球関係者のみなさんにはぜひ破損したボールの提供をお願いしたいです」(吉見投手)

今シーズンは、さらに多くのアゲインボールを寄贈したいと語る吉見投手。そのためにも、アゲインボールの元となる破損ボールが必要だ。芯が生きてれば、再生は可能とのこと。ご協力いただける方は、このプロジェクトを支援するNPO法人ベースボール・レジェンド・ファウンデーション(メールアドレス:info@blf.or.jp)までお問い合わせを。