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侍ジャパン

「メジャー予備軍」は17年WBCの主力メンバー 防ぎようのない日本プロ野球界の空洞化

 DeNA・筒香、西武・秋山、広島・菊池。来オフ、メジャー挑戦する可能性がある選手たちだ。いずれも野手。日本が誇る長距離砲に安打製造機、さらに守備のスペシャリストである。筒香と菊池は今オフの契約更改交渉で球団にポスティングシステムを利用したメジャー挑戦の希望を伝え、秋山は順調なら来季中に取得する海外FA権を行使できる。

(左から)筒香、秋山、菊池

 3選手に共通するのが、米国に準決勝で敗れた17年のWBCで主力野手だったことだ。準決勝では2番・菊池、4番・筒香、8番・秋山だった。同じくメンバーだった平野と牧田は今年海を渡った。最高峰の国際舞台を経験したことで、メジャーへの思いに拍車がかかった。より高いレベルで野球がしたいという思いは、日本のトッププレーヤーなら当然のことだ。しかもメジャーの試合をインターネットも含め、いつでも観られる時代。願望はさらに増す。長年取材してきた国内野球を盛り上げたい立場からすれば複雑ではあるが、どうしようもない。

 日本のレベルは、メジャーとマイナー3Aの間と言われている。ドミニカ共和国やプエルトリコなど中南米を中心に、世界のトッププレーヤーが集まるメジャーの舞台。今季、二刀流で新人王を獲得した大谷(エンゼルス)はパワーだけでなく、技術的な差についても言及し「やっぱりレベルが高いなと思った。見ているのでは分からないというか、画面上では分からないところ。やっぱり違うかなという感じはする」と語っている。12年のメジャー1年目で16勝を挙げたダルビッシュ(当時レンジャーズ、現カブス)が「あまりにも日本とアメリカ(のレベル)が一緒だと思っている人が多い」と、“誤解”を指摘したときもある。

 2年連続で沢村賞を受賞し、来季は佐々木主浩(横浜)に並ぶ日本選手歴代最高年俸の6億5000万円となった巨人のエース菅野は「将来的に10億円もらう選手がいてもおかしくない。(20年の)東京五輪に向けて野球界を盛り上げていかないといけない。そういうところまで目指して頑張りたい」と言った。その言葉は頼もしく、夢を与える。ただ、その菅野も将来的なメジャー挑戦の希望を持っている。これまでも、日本でプレーしていたら10億円に届いた選手はいたはずだ。イチローや松井秀喜、松坂(現中日)はもちろん、楽天・田中(現ヤンキース)やダルビッシュもそうだが、海を渡ってしまった。

 「メジャー予備軍」は筒香ら3選手だけではない。菅野やヤクルト・山田哲、楽天・則本昂。この3人も17年のWBCメンバーである。今秋の日米野球で活躍したソフトバンク・柳田も可能性があり、東京五輪後にはメジャー流出が止まらなくなるだろう。「夢」には勝てない。入れ替わるような新しいスターの出現。それを待ち望むしかない。(記者コラム・飯塚 荒太)