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プロ野球

復活に懸ける!斎藤佑樹の“原点回帰” スポーツ人間模様


◆ 「スポーツ人間模様」 ~日本ハム・斎藤佑樹~

 日本一に輝いた日本ハムの中で、再起を図る男がいます。斎藤佑樹――かつてのドラ1右腕は、今季から背番号を「1」に変更し、背水の覚悟で挑みます。

 背番号「1」と言えば、甲子園で“ハンカチ王子”の一大ブームを巻き起こした時の番号。早稲田実業時代のあの頃に戻り、初心に帰れという激励の意味もあるのでしょう。

 これまで背負ってきた「18」を返上して、再出発したい…。シーズン終了後、斎藤はそんな気持ちをフロントへ伝えました。もっとも、本人にすればもっと大きな番号が提示されると思っていたでしょう。

 日本ハムの「1」は、巨人へFA移籍した陽岱鋼がつけていたことから空き番号になったもの。これには当人も期するものがあったのではないでしょうか。球団の期待、温情…。何とか花を咲かせてほしい、という想いが見え隠れします。

 今季は11試合に出場し、0勝1敗。防御率は4.56でした。契約更改では4年連続のダウン提示で、今季の年俸は2000万円(推定)。ただし、まだまだ“ハンカチ王子”の賞味期限は切れていません。

 フロントが評価しているのはその集客力です。予告先発の欄に斎藤が登場すると、およそ5000人以上の増員が見込めるとか。トレードの噂がありながらもチャンスを与え続けているのは、そんな裏事情もあるようです。

 また、斎藤を支えているのは栗山監督でしょう。そうは言っても、なかなか面倒を見きれません。

 昨年11月15日、外国人記者クラブの講演にて、斎藤についてこう言及しています。「勝ち方を知っている投手。ただ、来年は頑張ってもらわないと、僕の手の届かない所へ行ってしまうような気がする」。

 監督の想いだけで選手を引き留めておくことは難しい…。生き残るためには、結果が必要です。斎藤自身も、目に見える“結果”がないことには、自分の存在はないと承知しています。

 背番号「1」は、日本ハムのスター選手が最後につけるナンバーともいわれています。新庄剛志や森本稀哲、それから陽岱鋼も…。ただし、これまでの選手とは少し意味合いの違う、“出直し”の背番号「1」。まさに正念場です。