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斎藤隆氏 MLBにないBC栃木の経営モデルに驚きと感動

 【斎藤隆 Sammy Report2018】先日、栃木県小山市にあるルートインBCリーグの栃木ゴールデンブレーブスの施設を視察しました。17年にリーグに加盟した新興球団で、今季は前巨人の村田修一選手が在籍したことでも話題になりました。地域密着に力を注いでいる県民球団ということに興味があり、江部達也社長とオーナー企業であるエイジェックのスポーツ事業部・五十子貴治さんに案内していただきました。

小学校の廃校を利用した球団施設

 まず、驚いたのが「小山ベースボールビレッジ」と名前がついた球団施設です。昨年閉校した小学校の廃校を再利用。職員室は監督やコーチの部屋、教室は選手ロッカーやリラックスするための談話室に使用され、校庭が練習場、体育館が室内練習場になっています。立派な手作りのブルペンもあり、最新の器具をそろえたウエートルームも。エイジェックは野球を中心とした地域貢献を推し進めており、BC栃木のほか、社会人チーム、吉田えり投手が兼任監督を務める女子硬式野球部も所有し、3チームの選手がこの施設を利用しています。

 そして、私が感動したのが、野球だけの施設ではないことです。学校の25メートルプールは、なんとナマズと高級魚ホンモロコの養殖場。いずれも市の特産品で、私が訪れた時も社会人チームの選手がエサやりなどの仕事をしていました。江部社長は「今後は農業もやりたい」とも。野球をやりながら、地域に貢献する新たな雇用も生み出すというのは、これまでの球界にはない発想でした。

 私は現在、パドレスの組織の一員として、1兆円超の市場規模を誇るMLBの経営を勉強していますが、MLBの手法が全て日本に当てはまるとは限りません。その意味ではBC栃木の野球との関わり方はとても新鮮でした。学校など老朽化した古い施設を再利用し、野球を通して地域を盛り上げ、そして地域の産業にも貢献する。日本の独立リーグはまだまだビジネスとして安定しているとは言えませんが、MLBにはない新しい日本の形として、今後のモデルケースになっていくのではないでしょうか。 (パドレス球団アドバイザー)

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