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出揃った32の選抜代表校、近畿勢が大会席巻も? 優勝候補はどのチームに


第89回センバツ高校野球(3月19日から12日間・甲子園)の出場高校が決まった。注目の清宮幸太郎が主将を務める早稲田実(東京)や、1年生からスタメン起用され、3拍子揃ったプレーヤー・小園海斗のいる報徳学園(兵庫)がともに21回目の出場を決めた。21世紀枠では不来方(岩手)、多治見(岐阜)が初出場。また中村(高知)が40年ぶりに選ばれた。

■大阪桐蔭、履正社など強豪校ひしめく近畿勢

 第89回センバツ高校野球(3月19日から12日間・甲子園)の出場高校が決まった。注目の清宮幸太郎が主将を務める早稲田実(東京)や、1年生からスタメン起用され、3拍子揃ったプレーヤー・小園海斗のいる報徳学園(兵庫)がともに21回目の出場を決めた。21世紀枠では不来方(岩手)、多治見(岐阜)が初出場。また中村(高知)が40年ぶりに選ばれた。

 その他にも夏春連覇を目指す作新学院(栃木)や、春連覇を狙う智弁学園(奈良)など強豪校が出場する。ブランク出場は、帝京五(愛媛)が48年ぶり、中村が40年ぶり。また東海大福岡は32年ぶりで、校名変更後初の甲子園切符となった。神宮大会にも出場した福岡大大濠(福岡)も26年ぶりの出場となる。一方、至学館(愛知)、呉(広島)ら4校が初出場。話題性もあり、盛り上がりのある大会になるだろう。

 北海道から九州まで各エリアで秋季大会を戦い、その勝者が手にすることができたセンバツ切符。その中でも今回は近畿勢は他の地域よりも頭が一つ抜けている印象だ。

 筆頭候補は2012年以来、5年ぶりのセンバツVを目指す大阪桐蔭。3年連続出場を手にした同校は秋の大阪大会で3位だった。当時はまだチームとして成熟しておらず、西谷監督も、打順もポジションも固定せずに選手たちの能力を見極めながら、戦っていった。昨年のセンバツでも登板した右腕・徳山を中心に香川、横川、根尾ら豊富な投手陣が試合を重ねるごとに成長。3番の山本も強打者で、ショートも外野もできる万能プレーヤー、1年生の根尾が甲子園デビューするのも見どころだ。近畿ベスト4だが、個々の能力は高く優勝候補といえる。

 その大阪桐蔭よりも秋に好成績を残したのが同じ大阪代表の履正社。同校も十分に頂点を狙える存在だ。

 大阪府2位から近畿大会、明治神宮大会と優勝。準優勝した2014年以来、3年ぶりのセンバツ出場を引き寄せた。秋の公式戦16試合で放った本塁打は15本。昨夏の甲子園に出場した3番のプロ注目の安田、強打者・若林らがチームを引っ張った。エース右腕の竹田や松井ら投手陣も安定感がある。昨年は寺島や山口といったドラフト指名選手を中心に秋の国体を制した。今年は投より打のチームとして甲子園で大暴れするだろう。

■神戸国際大付属で注目の4番、史上3校目の春連覇がかかる智弁学園

 近畿大会準優勝の神戸国際大付属も侮れない。7年ぶりのセンバツ出場を手にした同校で注目されるのは4番の捕手・猪田。昨秋の近畿大会で2戦連続弾を放つなど高校通算16本のプロ注目の強打者だ。捕手になったのは昨年の夏の大会が終わった直後から。外野手からの転向も投手陣の信頼を得て、チームも引っ張っている。

 昨年のセンバツではあと一歩のところで選考から漏れた報徳学園(兵庫)は今回、選出された。昨年のチームも実力揃いだったが、選考漏れの悔しさを力に変えて、頂点へ挑む。2002年春に優勝に導いた名将の永田裕治監督は今大会を最後に勇退する。グラウンドでは厳しく声を張り上げる指揮官だが、今回の出場が決まると選手たちを称えた。ナインも花を添えるために一丸となって戦っていくだろう。近畿8強とはいえ、1番の小園から始まるバランスの取れた打線は全国の強豪と台頭に戦える力を秘める。

 昨春を制した智弁学園(奈良)も8強ながら登場。前チームから4番を務めてきた福元が1番に入るなど、先頭打者から破壊力がある。1982年のPL学園(大阪)以来、史上3校目の2連覇がかかる。また滋賀学園(滋賀)も昨春の甲子園を経験した神村や控えの棚原ら投手力は高い。プロ注目の捕手・後藤もさらにレベルアップした打力を見せてくれるだろう。

 近畿以外では東北の仙台育英(宮城)、東京では早稲田実、日大三、東海では静岡、九州では福岡大大濠や秀岳館(熊本)などが優勝候補として挙げられる。上位に食い込むためには強豪校がひしめく近畿勢にどう打ち勝っていくかがポイントの一つ。近畿勢が大会を席巻するのか、それともその力を凌駕する高校が現れるのか――。いずれにせよ、白熱した戦いが期待できそうだ。

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