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FA、助っ人、トレード、入団テスト、新人… パ・リーグの新戦力選手一覧


今から約1か月後の2月25日。2017年のオープン戦が始まり、3月31日にはいよいよセ・パ公式戦の開幕戦が行われる。先日、スケジュールが発表された春季キャンプ、3月に開催される「第4回ワールド・ベースボール・クラシック」など、冬季の野球ファンの無聊を慰めるイベントは切れ目がないが、ペナントレースはまた別格の楽しみだろう。そこで、新シーズンを戦うパ・リーグの新戦力選手たちを紹介していきたい。

■最も多く選手を補強した球団は? 連覇狙う日ハムは投手王国を築けるか

 今から約1か月後の2月25日。2017年のオープン戦が始まり、3月31日にはいよいよセ・パ公式戦の開幕戦が行われる。先日、スケジュールが発表された春季キャンプ、3月に開催される「第4回ワールド・ベースボール・クラシック」など、冬季の野球ファンの無聊を慰めるイベントは切れ目がないが、ペナントレースはまた別格の楽しみだろう。そこで、新シーズンを戦うパ・リーグの新戦力選手たちを紹介していきたい。()内は前所属。

【北海道日本ハムの新戦力選手】
村田透投手(インディアンス)
堀瑞輝投手(広島新庄高校)
高良一輝投手(九州産業大学)
エドウィン・エスコバー投手(インディアンス)
高山優希投手(大阪桐蔭高校)
公文克彦投手(巨人)
▽2016年成績:12試合0勝0敗、11回2/3、12奪三振、防御率3.86
玉井大翔投手(新日鉄住金かずさマジック)

大田泰示外野手(巨人)
▽2016年成績:62試合114打数23安打、4本塁打、13打点、打率.202
石井一成内野手(早稲田大学)
森山恵佑外野手(専修大学)
郡拓也捕手(帝京高校)
今井順之助選手内野手(中京高校)

 北海道日本ハムは、巨人とのトレードで公文と大田を獲得。大田といえば、昨季6月5日の交流戦で先発・大谷から本塁打を放ったシーンの印象が強烈だ。栗山監督は、「右の大砲と左ピッチャー。喉から手が出るほど欲しかった。キラキラと輝くように、持っているものを1軍で出せるようにしてあげたい」と、2人に大きな期待を寄せる。

 昨季、北海道日本ハムのチーム防御率は12球団トップの3.06。公文、村田、エスコバーなどの新戦力を加え、球界屈指の新たな投手王国が構築されつつある。「勝って兜の緒を締める」心境で、2年連続のリーグ制覇に向けた準備は万端だ。

【楽天の新戦力選手】
岸孝之投手(埼玉西武)
▽2016年成績:19試合9勝7敗、130回1/3、104奪三振、防御率2.49
藤平尚真投手(横浜高校)
池田隆英投手(創価大学)
フランク・ハーマン投手(フィリーズ)
菅原秀投手(大阪体育大学)
森原康平投手(新日鉄住金広畑)
高梨雄平投手(JX-ENEOS)
鶴田圭祐投手(帝京大学準硬式)
西口直人投手(甲賀健康医療専門学校)
小山雄輝投手(巨人)
▽2016年成績:9試合0勝1敗1ホールド、13回、12奪三振、防御率4.85
野元浩輝投手(佐世保工業高校)
千葉耕太投手(花巻東高校)
木村敏靖投手(履正社医療スポーツ専門学校)

細川亨捕手(福岡ソフトバンク)
▽2016年成績:49試合93打数21安打、1本塁打、6打点、打率.226
石原彪捕手(京都翔英高校)
南要輔内野手(明星大学)
向谷拓巳内野手(兵庫ブルーサンダーズ)
田中和基外野手(立教大学)

 楽天は、トレードとFAなどで小山、岸、細川を獲得。昨季、チームで2桁勝利を挙げた投手は、3年連続で奪三振王に輝いた則本ただ一人。美馬や釜田など、10勝できるポテンシャルのある投手はいるが、投手を含めた守備力が課題であると言われていた。その補強ポイントにピタリとハマる新加入選手たちだと言えるだろう。

 また、岸と細川は、埼玉西武がパ・リーグ、日本シリーズ、さらにアジアシリーズを制覇した2008年にバッテリーを組んでいた。楽天の本拠地である東北は、両選手の故郷でもある。投手として、捕手としての実績や経験も十分な2人であるが、なじみ深い場所ではまた新鮮な心持ちでプレーできることだろう。

■西武は助っ人投手3人を獲得

【埼玉西武の新戦力選手】
今井達也投手(作新学院高校)
中塚駿太投手(白鴎大学)
平井克典投手(Honda鈴鹿)
田村伊知郎投手(立教大学)
ブライアン・シュリッター投手(カブス)
フランク・ガルセス投手(マーリンズ)
アレクシス・キャンデラリオ投手(ドジャース)

源田壮亮内野手(トヨタ自動車)
鈴木将平外野(静岡高校)

 埼玉西武は、ドミニカ共和国出身のガルセスとキャンデラリオ、アメリカ合衆国出身のシュリッターと新外国人3選手と契約合意に至った。ガルセスは「チームの勝利のために全力を尽くすことを約束します」と語り、キャンデラリオは「これまで数多くの国とチームでプレーしてきましたが、日本を、そして埼玉西武を私の最後の場所にするつもりです」とコメントした。

 昨季、埼玉西武のチーム打率は12球団中3位の.264と立派な成績だ。にも関わらず順位が振るわなかったのは、安打や本塁打が勝利につながりにくかったということが考えられる。加入した外国人選手全員が投手だが、それも改めて明らかになった課題を意識したからだろう。リーグ屈指の埼玉西武打線と補強された投手力が噛み合えば、今季は勝利を拾っていけるはずだ。

【千葉ロッテの新戦力選手】
佐々木千隼投手(桜美林大学)
酒居知史投手(大阪ガス)
土肥星也投手(大阪ガス)
有吉優樹投手(九州三菱自動車)
島孝明投手(東海大学市原望洋高校)
種市篤暉投手(八戸工業大学第一高校)
安江嘉純投手(石川ミリオンスターズ)

宗接唯人捕手(亜細亜大学)
猪本健太郎内野手(福岡ソフトバンク)
▽2016年成績:5試合8打数0安打、0本塁打、0打点、打率.000
柴田講平外野手(阪神)
▽2016年成績:10試合14打数3安打、0本塁打、0打点、打率.214
三家和真内野手(石川ミリオンスターズ)
菅原祥太外野手(日本ウェルネススポーツ大)

 千葉ロッテは、他チームを退団した柴田、猪本、入団テストに合格した三家を迎え入れた。三家は、2011年に育成選手として広島に入団。BCリーグを渡り歩き、プロ野球界に復帰。「ここからがスタートなので、気を引き締めてやっていきたいなと思います。BCリーグで3年間やらせていただいて培ったものや気持ちをプロでも忘れずにやっていきたいです」とコメントした。

 元阪神の柴田は、2011年に104試合188打数51安打9打点、打率.271の成績を残している。近年はなかなか結果が出せなかったが、セ・リーグからパ・リーグの移籍による心機一転を狙いたい。

 千葉ロッテはリーグ屈指の鉄壁のリリーフ陣を誇るが、2013年の井口以来、シーズン20本塁打を放てる日本人打者の不在が叫ばれる。そのため、ドラフトを除く補強も投手ではなく野手のみとなった。

■オリックスは外国人を多数獲得、ソフトバンクはほぼ新人のみ

【オリックスの新戦力選手】
山岡泰輔投手(東京ガス)
フィル・コーク投手(パイレーツ)
マット・ウエスト投手(ドジャース)
小林慶祐投手(日本生命)
ゴンザレス・ヘルメン投手(ロッキーズ)
山本由伸投手(都城高校)
澤田圭佑投手(立教大)
黒木優太投手(立正大学)
金田和之投手(阪神)
▽2016年成績:6試合1勝0敗、6回、1奪三振、防御率6.00
山崎颯一郎投手(敦賀気比高校)
榊原翼投手(浦和学院高校)
神戸文也投手(立正大学)

根本薫選外野手(霞ケ浦高校)
飯田大祐捕手(Honda鈴鹿)
中道勝士捕手(明治大学)
岡崎大輔内野手(花咲徳栄高校)
ダリル・ジョージ内野手(新潟アルビレックス)
坂本一将内野手(石川ミリオンスターズ)
ステフェン・ロメロ外野手(マリナーズ)
張奕外野手(日本経済大学)

 オリックスは、阪神にFA移籍した糸井の人的保障として金田を獲得。「真っ直ぐのスピードが速いというのが特徴なのでどんどんストレートで押すピッチングをアピールできればと思っています」と自ら語るように、150キロ前後の速球が持ち味だ。

 また、オリックスは新しく加入する外国人選手の数がパ・リーグでもっとも多い。コークはMLBでの登板経験があり、通算22勝。野手のロメロは、昨季3Aで106試合418打数127安打、21本塁打、打率.304という成績を挙げている。投手と野手両方の補強を惜しまない姿勢で、2014年のような白熱した優勝争いを見せてほしい。

【福岡ソフトバンクの新戦力選手】
田中正義投手(創価大学)
古谷優人投手(江陵高校)
長谷川宙輝投手(聖徳学園高校)

九鬼隆平捕手(秀岳館高校)
カイル・ジェンセン選手(ダイヤモンドバックス)
三森大貴内野手(青森山田高校)
森山孔介内野手(藤沢翔陵高校)
松本龍憲内野手(崇徳高校)
大本将吾外野手(帝京第五高校)
田城飛翔外野手(八戸学院光星高校)
清水陸哉外野手(京都国際高校)

 福岡ソフトバンクは、ジェンセンを除けば、新加入の選手は2016年ドラフトで獲得したルーキーのみ。その新人選手も、他球団と比べて少ない。昨季、シーズンの前半には手中に収めかけていた優勝を、北海道日本ハムの快進撃により逃してしまった。その原因は単純な戦力不足ではないという見解に至ったと思われ、基本的な方針として現状の戦力の強化による王座奪還を目指す。

 以上、2017年シーズンを戦うパ・リーグ6球団の新戦力選手を紹介した。多くのファンに惜しまれながら、昨季限りでチーム、球界を離れる選手がいる分、このように新しく加入してくる選手も数多い。この中から、近い将来輝かしい記録を打ち立て、パ・リーグのみならず日本球界を盛り上げるスター選手が現れてくるかもしれない。

 なお、昨季千葉ロッテを退団したアルフレド・デスパイネ外野手など、現時点で去就の確定していない選手も少なくはない。今季のパ・リーグのペナントレースの栄冠の行方を大きく左右する補強戦線からは、まだまだ目が離せない。

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

「パ・リーグ インサイト」編集部●文

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