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イチローが確率75%で2位 米野球殿堂に史上初めて満票選出される選手は?


米スポーツメディアの「スポーティング・ニュース」は「誰が最初の満場一致の殿堂入り選手となるか」と題した特集記事を掲載。満票で殿堂入りする選手の候補として、イチローが2位に選ばれている。

■米メディア予想、イチロー満票での米野球殿堂入り可能性は「75%」

 2017年の米国野球殿堂入り選手は、ティム・レインズ(エクスポズ他)、ジェフ・バグウェル(アストロズ他)、イバン・ロドリゲス(レンジャーズ他)の3人が選出された。バグウェルは有資格7年目で381票(86.2%)、レインズは有資格最終年の10年目で380票(86.0%)、そしてロドリゲスは有資格1年目で336票(76.0%)を獲得。全米野球記者協会(BBWAA)に10年以上所属している記者による投票で75%以上の得票を集めた者が許されるクーパーズタウン行きのチケットを手にした。

 米野球界の最高の栄誉である殿堂入りは狭き門。有資格1年目での選出は真のスーパースターの証で、初年度で75%の票を集めることは極めて難しい。そんな中で、過去最高の得票率は昨年のケン・グリフィー・ジュニアの99.3%となっており、まだ満票で選出された選手はいない。

 米スポーツメディアの「スポーティング・ニュース」は「誰が最初の満場一致の殿堂入り選手となるか」と題した特集記事を掲載。満票で殿堂入りする選手の候補として、イチローが2位に選ばれている。

 記事では「1936年以降、これまでに満票で米国野球殿堂入りを果たした選手は存在しない。ベーブ・ルース、タイ・カッブ、ケン・グリフィー・ジュニアでさえも実現しなかった」と紹介。そして、「果たして、満票選出となる候補選手は誰なのか?」として、得票率100%での殿堂入りとなる可能性がある人物を挙げている。

 筆頭に挙げられているのが、2014年限りで現役を引退した元内野手のデレク・ジーター氏だ。ヤンキース一筋で現役時代を過ごし、偉大なキャプテンとして名門球団を5度のワールドシリーズ制覇に導いただけでなく、歴代6位の3465安打と抜群の個人成績も誇る。

■イチローはなぜ選ばれるのか?

 記事では、「なぜ彼は選ばれるのか?」という項目で「論理的に考えて、最も可能性が高い選手がジーターだ。3465安打、通算打率.310に加えて、5度のワールドシリーズ制覇と長きに渡りヤンキースを引っ張ってきたキャプテンシーを備えた存在だ」と絶賛。史上初の満票で選出される可能性は「80%」と算出している。

 ただ、「なぜ彼は選ばれないのか」という“マイナス材料”では、「多くのファンや記者にとって、ジーターは過去20年で最も完璧な選手と見られている。しかし、アナリストたちからの印象はそうではない。71.8WARという数字は、アナリスト達が殿堂入りの基準と考える70WARを僅かに上回るだけだ」と説明。現在のメジャーで最も重視されている指標の1つ「WAR」が低く、さらに守備面でも平均を遥かに下回る数字が出ていると指摘している。

 最後に「これらは決して殿堂入りを目指す上で大きな障害とはなり得ない。しかし、BBWAAに所属する記者の一部は、この点を気にするかもしれない」とも言及しているが、最も満票選手に近い選手であることは間違いない。

 そして、イチローはジーターに次ぐ2位で登場。満票選出確率は、ジーターよりもわずかに5%低いだけの「75%」となっている。

「なぜ彼は選ばれるのか?」の項目では「日本での安打数も加算すると、プロ野球選手として最多の安打数を記録している。MLBだけでも、3030安打、10度のゴールドグラブ賞。長きに渡りアメリカでスター選手として活躍を続ける初の日本人選手だ」と紹介。ピート・ローズのメジャー歴代最多安打記録(4256安打)を上回る日米通算4308安打を放っていることだけでなく、メジャーでも圧倒的な成績を残していることを特筆している。

■ジーター、イチロー以外に満票選出の可能性があるのは?

 一方、「なぜ彼は選ばれないのか」の項目では「MLBデビューから最初の10年間の平均は、224安打、打率.331、さらにゴールドグラブ賞も獲得した。しかし、それ以降、ゴールドグラブ賞の受賞はなく、平均も131安打、打率.270にとどまっている。ピート・ローズでさえ晩年は平均以下の選手であったが、イチローの2011年から2016年のWAR合計は5.3に留まっている」と指摘。2011年以降の成績の下降が懸念点になるという。

 それでも、「投票者の多くはそこまで気にしないであろう。わずかながらに可能性はある」と結論づけており、満票選出に期待を寄せている。いずれにせよ、有資格1年目での殿堂入りは、やはり確実なようだ。

 その他、満票での殿堂入りの可能性がある選手とその確率として、マイク・トラウトが65%、チッパー・ジョーンズが60%、アルバート・プホルスが55%、マリアーノ・リベラが45%、ミゲル・カブレラが40%、クレイトン・カーショーが25%、ブライス・ハーパーが20%、バスター・ポージーが10%と予想されている。もちろん、これは現時点での数字で、まだ25歳のトラウトが今後さらに実績を積み重ねれば、ジーターやイチローよりも確率が上がる可能性は十分にあるだろう。

 これまでも米複数メディアが将来の殿堂入りを確実と報じてきたイチロー。現地では初の満票での殿堂選出に近い存在であると見られているようだ。

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