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「思いは今も続いている」―西武・菊池雄星が抱くメジャーへの「夢」


今季プロ8年目を迎える西武・菊池雄星。2015年の9勝(10敗)に続き、2016年は12勝(7敗)を挙げて自身初となる2桁勝利を記録した。今季は楽天にFA移籍した岸孝之に代わる先発ローテの柱としての期待も大きい。最速157キロを計時する25歳左腕の動向には、複数のメジャー球団が関心を寄せているが、菊池自身も「ずっと夢見ていたのがメジャーリーガー(になること)だった」と興味を隠さない。

■西武には15年オフに思いを伝えた菊池、「今行っても活躍できるとは、まったく思ってない」

 今季プロ8年目を迎える西武・菊池雄星。2015年の9勝(10敗)に続き、2016年は12勝(7敗)を挙げて自身初となる2桁勝利を記録した。今季は楽天にFA移籍した岸孝之に代わる先発ローテの柱としての期待も大きい。最速157キロを計時する25歳左腕の動向には、複数のメジャー球団が関心を寄せているが、菊池自身も「ずっと夢見ていたのがメジャーリーガー(になること)だった」と興味を隠さない。

 周知の事実と言えば、周知の事実だ。2009年、花巻東高の3年生だった菊池が、日本でプロ野球に進むべきか、夢だったメジャーリーガーになるため海を渡るべきか、大きな岐路に立っていたことは、広くメディアで報じられた。国内かメジャーかを決めるために、ドラフト会議前に日本12球団+メジャー8球団と面談。18歳の心で悩みに悩んで、日本でプレーする決意をし、ドラフト会議では6球団競合の末、西武に1位入団した。それでも、いつかメジャーでプレーしたい、という夢は消えたわけではない。幼い頃からの夢は、プロ野球選手になった今も抱き続けている。

「単純に小学生が『将来何になりたい?』って聞かれた時、『プロ野球選手になりたい』って答えるのと一緒。僕は小さい頃からの夢が、メジャーリーガーになることだった。その思いが今も続いているって感じですね」

 2015年オフの契約更改時に、球団には改めて夢を持ち続けていることを伝えた。

「わがままなんですけど、球団には伝えさせてもらいました。ただ、今(メジャーに)行っても活躍できるととは、まったく思ってない。当然そこにはクリアしないといけない壁が山ほどある。今のままだと厳しいというのは分かった上で、純粋に目標にしているだけなんです」

■「野球をやっている以上、全員が目指す権利はあると思う」

 昨季こそ2桁勝利を挙げたが、これまでの7年は自分自身でも満足のいかない成績だった。「どうせ無理だって言う人が多いと思う」と言うと、こう続けた。

「たかだか2桁(勝利)を1年しただけで偉そうにって、当然言われると思うんですけど、言われることも想定した上で、球団にも伝えています。ただ野球をやっている以上、全員が(メジャーを)目指す権利はあると思うし、行けると確信を持った人しか夢を語っちゃいけないわけじゃないと思うんです。僕は野球が好きだから、いろんな野球をやってみたい。実際にメジャーの試合を球場で観戦して、あそこで投げてみたい、と思った。それだけなんです」

 今年行きたい、来年行きたい、と、メジャーに挑戦したい具体的な時期が決まっているわけではない。その時期は「山ほどある」という課題を克服し、投手として一回りも二回りも成長した時にやってくる。まず、その1歩が「チームで信頼される投手になること」だ。

「メジャーが目標って言うと、ライオンズはどうでもいいのかって言う人もいると思うんですけど、僕、ライオンズが大好きなんですよ。8年もいれば、このメンバーで優勝したいっていう気持ちは年々高まっているし、ライオンズには愛着も感謝の気持ちもあります。ファンの方もずっと応援して下さっているので、みんなで何とか優勝したいですね。優勝しないと面白くない。他のチームの優勝胴上げばっかり見ているんで、今年は僕らがっていう思いは強い。そのためにも、まずは自分が安心感を与えられるようなピッチャーになりたいと思います」

 優勝という思いを遂げるためにも、そして子供の頃からの夢を叶えるためにも、今季、菊池が見せるパフォーマンスは大きなカギを握ることになりそうだ。

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