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高校野球

奥川恭伸と山瀬慎之助、中学日本一バッテリーが神宮制覇に王手をかける【明治神宮大会 準決勝 星稜-高松商】

星稜が高松商を下して、松井秀喜氏が4番を打っていた第22回大会以来27年ぶりの優勝に王手をかけた。エースの奥川恭伸(2年)は7回を投げて1失点(自責点0)の好投。打線も11安打で7点を奪い、3年前の王者を投打で圧倒した。

 この日の奥川は初回に二死からスライダーを狙い打たれて二、三塁のピンチを招く。ここで捕手の山瀬慎之助(2年)は「ストレートに狙いを張っていない」と気づき、次の打者には全てストレートを要求。この配球が功を制して空振り三振に打ち取ると、2回以降の6イニングは1安打しか許さなかった。

 最速150㎞/hのストレートを投げ、世代ナンバーワン投手との呼び声が高い奥川。そんな奥川を誰よりも知るのが小学4年生からバッテリーを組んでいる山瀬だ。「組んできた投手が奥川だけ」と話すように山瀬の捕手人生の中には常に奥川がいた。

小学生からバッテリーを組んでいる奥川(右)と山瀬は中学時代に続く日本一を目指す


 バッテリーを組んで8年目になる山瀬は「全てにおいて小学生からずっと伸びていて成長の幅が大きい」と奥川を分析する。夏の甲子園が終わってから数カ月の間でも「夏の甲子園で150㎞/h出た時よりも球の重さはある」と着実に進化を続けていた。「小学生の頃から無双している状態が多かったので、逆に配球の勉強ができない」と言うほどに山瀬にとって奥川は頼りになる存在だ。

 かほく市立宇ノ気中時代には全国制覇を成し遂げている二人は「一緒に日本一になろう」と星稜に進学した。石川県勢がまだ成し遂げていない夏の甲子園優勝が最終目標ではあるが、その第一歩としてまずは神宮のタイトルを獲りに行く。

◎高松商・長尾健司監督
「どう考えても横綱対幕下という試合でした。もうちょっと粘れるかなと思っていましたが、流石に北信越大会を勝ってきたチームでした。奥川君のような球は対応できれば反発で飛んでいくので適応する力を付けたいですね。ナンバーワンと言われている投手と対戦できて自分たちの力のなさを感じたと思います」

★第49回明治神宮野球大会準決勝
高松商001000003=4
星稜10310101×=7
【高】●中塚、香川-新居
【星】○奥川、寺沢、萩原-山瀬、内山
本塁打:星稜・東海林(3回・ソロ)、高松商・新居(9回・3ラン)

文・写真=馬場遼