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プロ野球

黒田の“10勝”を埋める広島の先発候補は?


 広島は2015年に15勝を挙げた前田健太がポスティングシステムでドジャースへ移籍し、厳しい戦いが予想された。しかし、シーズンが開幕すると15年5勝の野村祐輔が16勝を挙げる活躍で、前田健太の“15勝”の穴を埋め、前評判を覆し25年ぶりのリーグ優勝を達成した。そして、昨季10勝を挙げた黒田博樹が現役を引退。リーグ2連覇を達成するためには、昨年の野村のように、10勝分の穴を埋める先発投手の台頭が必要になってくる。

 その筆頭が、今季プロ7年目を迎える福井優也だろう。福井は1年目に8勝をマークしたが、2年目以降は、力強いストレートを持ちながらも、制球に苦しみ思うような結果を残すことができなかった。

 5年目の15年も制球に苦しむ場面はあったが、それに動じることなく力強いボールを投げ、打者を封じていき自己最多の9勝をマーク。これで殻を破ったかに思われたが、昨季は5勝止まり。ただ8月以降に限ると、5試合に先発して、3勝2敗、防御率3.21とまずまずの成績を残している。ストレートは威力があるだけに、シーズン通して安定した投球ができれば、10勝以上は期待できそうだ。

 14年新人王の大瀬良大地もいる。大瀬良はプロ1年目の14年に10勝をマーク。さらなる活躍が期待された2年目だったが、試合を作るも勝ち星に恵まれず、シーズン途中からリリーフに転向した。3年目の昨季は前田健太がメジャーに挑戦したため、先発に再転向も故障で開幕に間に合わず。夏場に復帰したが、2年目と同じようにリリーフを務めた。

 ここ2年間はリリーフ中心となっているが、先発時代の14年にはリーグトップの完投数を記録するなど、長いイニングを投げる事ができるのは魅力的。

 その他、大瀬良と同学年の九里亜蓮と横山弘樹、昨季4勝を挙げた岡田明丈、左の戸田隆矢などもいる。

 “10勝”以上に精神的支柱として、若い投手陣を引っ張ったという意味では、黒田博樹の引退は数字以上に重いかもしれない。リーグ2連覇を成し遂げるためにも、若き先発陣の奮起が必要不可欠。昨季の野村のように、先発ローテーションの一角に食い込む投手は誰になるだろうか。