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日本シリーズMVPは甲斐!強肩”甲斐キャノン”の広島東洋を完全封鎖!

「日本シリーズ」 ソフトバンクが日本一  日本シリーズのMVPに選ばれ、声援に応えるソフトバンク・甲斐。右は工藤監督=マツダ【写真提供:共同通信社】


福岡ソフトバンクが日本シリーズ第6戦で広島東洋に2対0で勝利し、4勝1敗1分で2年連続9度目の日本一に輝いた。シリーズMVPには福岡ソフトバンクの甲斐拓也が選出された。

 甲斐は6試合で打率.143と振るわなかったが、守備で6連続盗塁阻止の日本シリーズ新記録をマークし、広島東洋が得意とする機動力を使った攻撃を封じた。第6戦の初回、1死1塁の場面で田中が盗塁を試み、一度はセーフの判定となったが、工藤監督のリクエストが成功してアウトとなり、シリーズ記録を更新した。続く2回には2死1、3塁の場面で安部の二塁盗塁を阻止し、セ・リーグトップのシーズン95盗塁を決めた広島東洋に、シリーズを通じて一度も盗塁を許さなかった。

 シーズンでは12球団トップの盗塁阻止率.447を記録し、「甲斐キャノン」と称された強肩で、一塁けん制でも度々際どいタイミングの送球を見せた。数字以上のイメージで広島東洋の走者から積極性を奪い、接戦が多かった今シリーズのMVPにふさわしい活躍だった。

 育成出身選手では初の日本シリーズMVPとなった甲斐は「自分ひとりの力では獲れなかった。監督やコーチ、野手の皆さんの協力があってできたことなので、感謝したい」と謙虚に喜びを語った。登板5試合無失点で3セーブを記録した森や、第5戦でサヨナラ本塁打を放った柳田などを抑えて栄冠をつかみ取った甲斐。平成最後のシリーズMVPは、新時代の到来にふさわしい異例の選出となった。