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田中将大の去就に議論過熱 ヤ軍対応に反応様々「トレードすべき」「反対」


ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMが田中将大投手との契約延長交渉に着手していないと発言したことを受け、米国内で議論が沸き起こっている。

■現地で議論が過熱する田中将大の去就

 ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMが田中将大投手との契約延長交渉に着手していないと発言したことを受け、米国内で議論が沸き起こっている。

 3年前のオフに楽天からポスティングを経てヤンキースに移籍。7年総額1億5500万ドル(約179億円)の大型契約を結んだ。ただその中には選手サイドが途中で契約を破棄できる条項(オプトアウト)が盛り込まれており、田中は2017年シーズン終了後にその権利を手にすることになる。

 早くも1年後の動向が注目され始めている右腕について、先日、ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMが今季中の契約延長交渉を行わない方針を明らかにしたと現地メディアが報じた。ニュージャージー州最大のニュースサイト「NJ.com」によると、同GMは交渉を否定した上で、「彼が素晴らしいシーズンを送れたらいいね。そこで彼は(オプトアウトするかどうかを)決断をするだろう。彼が決断しないのなら、(契約破棄は)しないということだろう」と話したという。

 これを受け、交渉を行わないならトレードすべきとの論調で報じたのは米メディア「リバー・アベニュー・ブルース」だ。米CBSスポーツなどで原稿を執筆しているマイク・アクシサ氏が「ヤンキースがタナカとの契約延長を望まないなら、すぐに彼をトレード市場に出すべきだ」との見出しで“提言”した。

■「タナカが全く健康な状態で悪い成績を残すとしたら大変な驚き」

 当時、7年契約の3年目が終了したサバシアが契約を破棄し、新たに5年1億2200万ドル(現在のレートで約140億円)で再契約した。記事では「2017年のタナカもオプトアウトの気配がある」と言及。今季終了後の田中の選択として「素晴らしい投球を見せ、オプトアウトする」、「成績が悪い、もしくは怪我をしてオプトアウトしない」の2つを挙げ、「今シーズン、タナカが全く健康な状態で悪い成績を残すとしたら、私は大変に驚くだろう。彼が健康である限り、オプトアウトするだろう」と予測している。

 また、球団が契約延長に躊躇する理由として、1年目に発症した右肘の負傷の再発のリスクを挙げた上で、「2012年のサバシア同様、タナカが影響力を持つ前に交渉に取りかかるべきだ。それとも契約延長を望まないだろうか。今すぐ彼をトレード市場に出すなら、それもいい選択だ。デッドラインまで待つのはリスクがある」とレポートしている。

 この記事には読者から多数のコメントが寄せられており、「マイク、私は反対だ。当てもなくエースをシーズン前にトレードすることは諦めるのと同じだ。健康な状態でシーズンを送る彼を見てみたい気持ちは本当に理解できる」との声がある反面、肘の状態を不安視する声やトレードに出すべきとの意見も上がっている。

 また同氏は読者の質問に回答する特集でも、17年オフにFAとなる見通しのダルビッシュ有投手(レンジャーズ)の状況とともに田中の動向に言及している。

■ダルビッシュとともにダブルエース実現? 「私ならタナカに投資」

「2018年に2人の日本人投手が在籍しているでしょうか? もしくは、オオタニがポスティングされれば、3人ということもありえますが」との問いかけに、「来年ダルビッシュがFAとなった場合、レンジャーズが彼を手放すとは考えにくい。もし手放すなら、相当な驚きだ。また、贅沢税との兼ね合いで、ヤンキースが来オフにFA市場で大金を費やさないのではとも思う。ダルビッシュを獲得すべきタイミングは5年前だった。当時20代半ばであった彼も、来年FAとなっているころには31歳だ。さらに、近年はトミー・ジョン手術も受けている。どう思われても構わないが、私ならその分の金額をタナカに投資する」との見解を示している。

 昨季メジャー3年目にして初めてシーズンを通じて先発ローテを守り、エースとして存在感を示した田中。シーズン200イニング間近の199回2/3を投げ、自己最多14勝(4敗)、リーグ3位の防御率3.07をマークした。その勝率の高さは米国内でも話題となるほど、評価を高めている。一方で、「NJ.com」が「長期契約を延長するにあたって未だに多大なリスクがつきまとう」と指摘するなど健康面への懸念は完全に消えていない。

 28歳右腕は今季どのような投球を見せ、どのような決断を下すのか。そしてヤンキースは早い段階で何らかの手を講じるのか。現地でもその動きに大きな関心が寄せられている。

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