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日本人3投手選出 米紙珍企画、ヤ軍が将来WS進出する際のエース候補は?


2009年以来ワールドシリーズ優勝から遠ざかっている名門ヤンキース。巻き返しを目指すチームが新シーズンに向けて準備を進める中、ニューヨークの地元紙「デイリー・ニューズ」が“珍企画”を実施。ヤンキースが今後WSに進出する際、誰がその第1戦の先発を任されるか、つまりどの投手がエースになっているかを占っている。

■2位タイに大谷翔平…米紙が珍企画、ヤ軍将来のエース候補は?

 2009年以来ワールドシリーズ優勝から遠ざかっている名門ヤンキース。13年、14年と2年連続でプレーオフ進出を逃すと、15年はワイルドカードでプレーオフ進出を果たしたが、WCゲームでアストロズに敗れ、地区シリーズに進めなかった。

 昨季はプレーオフ進出を争いながらシーズン途中で守護神チャップマン、ミラー、ノバ、ベルトランらを次々と放出し、若手の起用に切り替えた。その影響で新星捕手サンチェスが53試合の出場で20本塁打を放つなど若手が台頭したが、成績自体は地区4位と低迷することになった。

 巻き返しを目指すチームが新シーズンに向けて準備を進める中、ニューヨークの地元紙「デイリー・ニューズ」が“珍企画”を実施。ヤンキースが今後WSに進出する際、誰がその第1戦の先発を任されるか、つまりどの投手がエースになっているかを占っている。

 記事を執筆したのは取材歴20年以上のベテランコラムニスト、ジョン・ハーパー氏。同記者は「キャッシュマンGMはエースに頼るよりも、先発投手陣に厚みをつけることが重要だと語っている。しかしながら、生え抜きの起用やトレード、FAなどの手段は問わないにしても、やはりエースという存在は必要だ」と指摘し、将来的にヤンキースのエース候補となり得る投手トップ10を独自のオッズとともに紹介している。その中には現在、他球団でプレーしている投手も多く含まれており、日本人が3投手も登場する。

■田中は「メジャーでもトップクラスの先発投手」

 1位は高校時代にヤンキースからドラフト指名されたこともあるパイレーツのエース右腕ゲリット・コールが挙げられており、それに続きマット・ハービー(メッツ)とともに2位タイのオッズとなっているのが、なんとまだメジャーに移籍もしていない大谷翔平(日本ハム)だ。

 寸評では「日本球界のスターは、新労使協定の締結までは大きな注目を集める存在だった。オオタニがFAという立場で大型契約を結ぶには、25歳となるまでの残り3年待たねばならず、(MLBの)マンフレッドコミッショナーは最近、オオタニへの例外はないだろうと語っている」と解説。協定に“抜け道”が見つかる可能性にも触れつつ、「3年待たなければいけないとしても、ヤンキースが獲得競争に参戦することは自然な流れのように感じる」と、名門が二刀流右腕の争奪戦に加わると予測している。

 また、ランキングの4位に入っている入っているのは現在のエースである田中将大。28歳の右腕については「間違いなく昨季のメジャーでもトップクラスの先発投手」と評し、2017年シーズンオフに契約破棄する権利(オプトアウト)を持つことにも触れつつ、「(ヤンキースは)彼に代わるトップクラスの先発投手を獲得しない限り、チームは大金をかけてタナカを引き留めるだろう」と推測している。

■5位にダルビッシュ、田中とヤンキースでダブルエースも?

 そして田中に続き5位にランクインしているのがレンジャーズのダルビッシュ有だ。ダルビッシュは現時点で今シーズン終了時にFAと見通しのため、レンジャーズが契約延長の方策を講じない限り、争奪戦となることが予想されている。30歳の右腕について寸評では「タナカの代役候補の一人」としながらも、「しかし、理想としてはヤンキースはエースを入れ替えるよりも、エースに匹敵する存在を加えるというのが理想形だ」と田中とダルビッシュが同時にヤンキースのローテを担う可能性に言及。「(今季は)トミージョン手術から復帰後初となるフルシーズンであり、手術前の状態を取り戻せれば、オフには大型契約を獲得できるだろう」とレポートしている。

 そのほか、ヤンキースの有望株が挙げられる中で8位にはメジャー最強左腕、ドジャースのクレイトン・カーショーもランクインしている。

 田中はメジャー3年目の昨季、初めてシーズンを通してローテを支え、自己最多14勝、防御率もリーグ3位の3.07をマークした。ダルビッシュも昨季途中に右肘手術から上々の復帰を見せ、新たなシーズンで圧倒的な投球が期待されている。そしていまだ渡米していないにも関わらず、投打での際立った活躍により、多くのメジャー球団からから熱視線を送られている大谷――。

 日本人投手が将来、ヤンキースのエースとして名門をWSに導くことはあるのか。今回のNY紙の特集で取り上げられていることからも、その評価の高さがうかがえる。

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