- 大学野球
2018.10.11 12:09
国際舞台でも駆け回った韋駄天 米満 凪(奈良学園大)
「時は来た!ドラフト指名を待つ男たち」
50m走を5秒8で走るアマチュア球界屈指の韋駄天遊撃手。敦賀気比高時代は3年夏に甲子園4強の実績を持つ。しかし米満に与えられた背番号は16番で、平沼翔太(日本ハム)や岡田耕太(駒大)といったタレントが揃う中で最後の夏にレギュラーを掴むことはできなかった。
それでも奈良学園大に入学後は1年春からレギュラーを勝ち取ると、打率.344の活躍でリーグ優勝に貢献。その後もレギュラーに定着し、チームに欠かせない存在となった。
米満がプロ入りを意識し始めたのはちょうど1年前。大学の先輩である宮本丈(ヤクルト)と村上海斗(巨人)がドラフト指名されたことで「自分もプロに行きたい」と本気でプロを目指すようになった。
プロという明確な目標を立てたことで「すべてにおいてこの1年間で大きく変わりました」と大学4年目で大きく飛躍する。春季リーグ戦では打率.406で初の首位打者を獲得すると、大学野球選手権でも1回戦の立命館大戦で4打数3安打1本塁打と大暴れ。走っても4盗塁で1試合における大会タイ記録を樹立し、初戦敗退ながらも強烈なインパクトを残した。
大学野球選手権での活躍が認められ、自身初となる侍ジャパン大学代表に選出。ハーレムベースボールウィークでは4試合に出場して6盗塁と国際舞台でも走りまくった。主将の辰己涼介(立命館大)が盗塁についてアドバイスを求めてくるほど代表内でも米満の走塁は際立っていた。
酒井真二監督からは盗塁のタイミングに関して一任されている。10月5日の大阪市立大戦では無安打ながらも四球と失策で3度出塁すると、すべて初球にスタートを切って盗塁を成功させた。俊足を武器にするドラフト候補は全国に多くいるが、彼ほど足が相手にとって脅威に感じる選手はなかなかいないのではないだろうか。
「足を活かして相手にプレッシャーをかけられるような選手になりたい」と将来の選手像を思い描いている米満。プロのステージで縦横無尽にグラウンドを駆け回る姿を見てみたい。
文・写真=馬場遼