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高校野球

大谷翔平に憧れ、真似た メジャー級ポテンシャルのスケール 渡邊勇太朗(浦和学院)

「時は来た!ドラフト指名を待つ男たち」

渡邊勇太朗(わたなべゆうたろう)
浦和学院
190センチ90キロ 
右投右打 投手
【写真提供:共同通信社】

 今夏、32年ぶりにベスト8に進出した浦和学院の揺ぎ無きエースでありながら背番号「11」を背負った変わり種。1年の時に練習のハードさから練習から逃げ出して同僚に連れ戻されたり、今年の春はヒジのケガがあり、ベンチを外れた。エースに値せず、という部分と、「11と言う数字が好きだった」と最後まで「1」番はつけなかった。それでも、甲子園では大黒柱としてマウンドにいた。

 初戦の2回戦、仙台育英を6回無失点、3回戦の二松学舎大付を完封。最速149キロを計測した。そして準々決勝で大阪桐蔭と当たる。4番の藤原を1、2打席ともインコースで打ち取るまでは接戦だった。そして3打席目も同じく厳しいインコース。しかしライトスタンドに持っていかれた。「あのボールをホームランにするのか・・・」。その瞬間に絶句した。「上には上のレベルがある。筋力、体力をつけて、もっと球速もアップさせたい。プロでは藤原君を抑えられるように」。これからの努力を誓った。

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 どの球団のスカウトも「大谷のような・・・」と枕詞をつけた。そう、大谷翔平(エンゼルス)に似ていると評判になった。フォームを参考にしようと、動画を見ていたら似てきたのだという。左足のあげ方、体全体の沈み方、腕のたたみ方など大谷と重なる。似ているわけだから、フォームはバランス良く理想形に近い。右ひじや体の柔らかさが感じられ、上背があるオーバーハンドでスケールの大きさもある。あるメジャーのスカウトは「毎年、2、3人しかいないメジャーで活躍できる素材の選手」と言っている。将来は大谷同様に海の向こうで活躍する可能性を秘める。もちろん、大谷は憧れの選手でもある。背番号「11」も日本ハム時代と一緒で嬉しかったとか。

 埼玉県羽生市出身。中学は部活の軟式野球部。浦和学院では1年秋にベンチ入り、2年夏の埼玉大会で6試合に登板するも決勝の花咲徳栄戦で先発KO負け。徳栄はそのまま優勝することになる。2年秋はベスト8止まりで、3年春のケガから復帰、最後のチャンスで甲子園切符をものにした。

 9月のU18アジア選手権の侍ジャパンに選ばれ、スリランカ戦に先発して3イニングをノーヒットに抑えた。
 変化球は130キロ前後の縦横のスライダー、140キロのツーシーム、110キロのカーブを持っている。
 浦和学院としては2001年の広島、大竹寛(現巨人)以来のドラフト1位指名になるか。

(文・清水岳志)