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未完の大器トレード、「史上初」大補強…由伸巨人、2016年の10大ニュース


2016年シーズンの巨人は、原辰徳前監督から高橋由伸監督に政権が交代した1年目。広島に17.5ゲームと大きく差がつき、2位に終わった。クライマックスシリーズに挑んだが、DeNAに本拠地・東京ドームで屈し、敗退。先発、リリーフを含め、投手陣の不安定さや打線の核の不在などが際立ち、オフには大型補強を敢行するなど話題は尽きなかった。2016年の巨人の10大ニュースをまとめた。

■由伸監督1年目、ドラフトしんがり男デビュー

 2016年シーズンの巨人は、原辰徳前監督から高橋由伸監督に政権が交代した1年目。広島に17.5ゲームと大きく差がつき、2位に終わった。クライマックスシリーズに挑んだが、DeNAに本拠地・東京ドームで屈し、敗退。先発、リリーフを含め、投手陣の不安定さや打線の核の不在などが際立ち、オフには大型補強を敢行するなど話題は尽きなかった。2016年の巨人の10大ニュースをまとめた。

○8年目の「未完の大器」大田がついにトレードへ

 2008年ドラフト1位で東海大相模から将来の4番打者候補として入団。松井秀喜氏がつけていた背番号55を引き継いだ。毎年のように期待されたが結果を残せず、在籍8年で9本塁打。球団は新天地での活躍を願い、日本ハムとトレード交渉。左腕の公文とともに、吉川光夫、石川慎吾と2対2のトレードが成立。大田移籍の報道は衝撃を与えた。

○ドラフトしんがり男、長谷川潤が育成から即支配下で先発

 育成ドラフト8位で入団。12球団全116選手中、最終116番目のしんがり指名となった25歳のサイド右腕。3月下旬に支配下登録されると5月6日の中日戦(東京ドーム)でプロ初登板初先発。5回途中4失点。1軍では3登板で0勝1敗、防御率8.53だったが2軍では25登板で7勝5敗、防御率2・77。来季の飛躍が楽しみな存在となった。

○エース・菅野智之が防御率&奪三振のタイトル獲得

 勝ち運に見放され、9勝6敗と2ケタ勝利に到達しないという不運もあった1年だったが、自分自身の力が大きく影響する個人タイトルは獲得。防御率2.01、奪三振189はリーグトップ。投球術は前年よりも上回っていた。しかし、大事なCSでは体調を崩し、登板できなかったため、来季はシーズンを通じたエースの働きが求められる。

○斎藤巨人、ファーム選手権優勝

 今年から2軍監督に就任した斎藤雅樹監督が、イースタンリーグを制すと、ファーム選手権でウエスタンの覇者・ソフトバンクを破り、21年ぶり8度目の優勝を果たした。最優秀選手には4番としてソロを含む2安打3打点を放った岡本が選出。選手層が厚い中でも若手も積極的に起用した。また、斎藤監督はU-23代表監督としてメキシコで世界一にもなった。

○田口が初2桁勝利で躍進も先発陣安定せず

 3年目の田口麗斗投手が開幕ローテから奮闘し、10勝10敗でシーズンを終えた。しかし、2桁勝利したのが21歳左腕だけで、内海や大竹寛、マイコラスら高年俸の投手たち開幕2軍と期待外れで高橋監督の構想が大きく崩れた。来年は移籍や配置転換などで先発のコマを多く増やし、乗り切っていく。

■あの助っ人がCS直前に懲罰交代、オフはFA3人補強

○クルーズCS直前で懲罰交代 

 ロッテから新加入したクルーズ内野手。投打ともにVの使者として大きく期待されたが最終的にはチームの足を引っ張った。DeNAとのCS直前の練習中にグラウンドを去り、2軍へ。練習態度などを指摘され、チームの士気が乱れる恐れがあったため、首脳陣は降格させた。シーズン中もケガに泣き、フルには戦えず。2年契約の2年目の来季の動向が注目される。

○由伸新監督、1年目は2位で終える

 現役を引退し、第18代の巨人軍監督に就任した。言い訳にはしなかったが、開幕から戦力が整わずにチームは5月以降低迷。巨人の歴代の新人監督は長嶋茂雄氏の第1次政権は最下位(1975年)もあれば、川上哲治監督(1961年)、藤田元司監督(1981年)ら優勝&日本一など様々。この1年を糧に来年のV奪回に期待がかかる。

○「神の足」鈴木尚広が引退

 代走のスペシャリストとして活躍した鈴木尚広外野手が現役生活20年でピリオドを打った。通算228盗塁を決め、200盗塁以上を決めた選手の中では歴代最高の盗塁成功率を誇った。引退後は野球をネット裏で見たり、野球教室など野球の普及、トレーニングの勉強などをして第2の人生をスタートさせる。再びユニホームを来てグラウンドに帰ってくる日をファンは待っている。

○主将・坂本勇人がセ界初のショートで首位打者

 不動の3番打者として坂本が打率.344をマークし、首位打者のタイトルを獲得した。ショートで首位打者のタイトルを獲得するのはセ・リーグでは初めての快挙。重心を後ろに残した打撃フォームは力を生んだだけでなく、選球眼の良さにもつながり、ミスショットが減った。名実ともに巨人のリーダーになりつつある。

○FA史上最多の3選手獲得 V奪回へ大型補強

 日本ハムからFA宣言した陽岱鋼外野手、DeNAから山口俊投手、ソフトバンクから移籍の森福允彦投手と合わせ、史上初のFA3選手同時獲得に成功した。新外国人のマギー(タイガース)や160キロ超右腕のカミネロなども獲得。トレードでは日本ハムから吉川光、石川、楽天から柿沢を獲得するなどウィークポイントを埋めた。選手だけでなく、ロッテから小谷正勝投手コーチ、楽天から小坂誠コーチが“移籍”。有能な首脳陣も補強した。

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