中日―広島２３ 　広島に勝利し、観客の声援に応える中日・平田＝ナゴヤドーム【写真提供：共同通信社】

　中日の平田良介が8日の広島東洋戦で2本の価値あるタイムリーを放ってチームの3連勝に貢献した。

　1本目のタイムリーは2点ビハインドで迎えた3回裏。相手の失策で1点を返した直後に、右中間を破るタイムリー2塁打で同点。さらに、平田はこのプレーの間に相手の中継プレーが乱れた隙をついて逆転の本塁を踏んだ。2本目も1点を追いかける展開の6回裏。松井雅のタイムリーで同点に追いつき、なおも1死2、3塁と好機を広げた場面。「相手も前進守備を敷いてきたので自分との勝負なんだなと。なにがなんでも点を取ろうという気持ちで打ちました」と、鮮やかにセンター前に弾き返す勝ち越しの2点タイムリーがこの試合の決勝点となった。

　平田を1番に据える首脳陣の意図は、下位打線でつくった好機を生かすためとされている。その点について平田は「（6回の場面は）2塁ランナーは足が決して遅くない松井雅人だったので、ヒット1本で（本塁に）返ってきてくれると思っていた。自分の気持ちも乗りやすかった」と、期待されているポイントゲッターとしての自覚が表れていた。

　中日は明日の試合で勝利を収めれば、首位の広島東洋に今季の勝ち越しが決まる。しかし、それが達成できたとしても平田は充実感を得ることはない。「どこが相手でも勝ち越せるチームになっていきたい」―。悔しさを奥歯で噛み潰しながらお立ち台で絞り出した言葉が来季に繋がることを信じるばかりだ。