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かつて球界席巻も約20人に…来季進化か、復活か、勝負の年か、松坂世代の今


今年も松坂世代のプレーヤーがユニホームを脱いだ。ホークス時代、剛速球とスライダーで三振の山を築いたヤクルトの新垣渚投手が、現役引退を決めた。2004年、日本通運から中日ドラフト4位で入団した雄太(ゆうだい、本名・川井進=かわい・すすむ)も同世代の一人。5年目の09年に球団記録の開幕11連勝を達成するなどチームを支えた左腕だった。球界を沸かせた功労者たちが現役生活に別れを告げた。

■今季引退した選手、躍進した選手、復活期す選手、「松坂世代」の現在地

 今年も松坂世代のプレーヤーがユニホームを脱いだ。ホークス時代、剛速球とスライダーで三振の山を築いたヤクルトの新垣渚投手が、現役引退を決めた。2004年、日本通運から中日ドラフト4位で入団した雄太(ゆうだい、本名・川井進=かわい・すすむ)も同世代の一人。5年目の09年に球団記録の開幕11連勝を達成するなどチームを支えた左腕だった。球界を沸かせた功労者たちが現役生活に別れを告げた。

 ただ、さみしい話題だけではない。今年からソフトバンクに復帰した和田毅投手の活躍は見事だった。左肘の違和感でシーズン最後に戦線離脱したが、15勝5敗で最多勝に輝いた。レギュラー剥奪のピンチだった巨人・村田修一内野手も復活した。143試合で打率.302、25本塁打、81打点。本塁打、打点はチーム2冠と奮闘した。V奪回を目指すホークス、ジャイアンツで、ともに来年のキーマンとなるだろう。

 巨人には村田の他にも松坂世代の選手がいる。昨年、股関節痛で手術を受け、リハビリ中の杉内俊哉投手。今季の1軍登板はなかったが、2軍戦で復帰。秋季キャンプにも参加するなど、復活へ向けて歩みを進めている。捕手の實松一成も、小林誠司の育成が重視されているため以前ほどの出番はないが、チームをバックアップ。生え抜きとして巨人を支えてきた19年目の加藤健捕手は今年限りで自由契約となり、他球団への移籍を目指している。

 阪神・藤川球児は今年、NPBに復帰。背番号18で再スタートした。リリーフではなく、先発投手として中日との開幕第3戦に登板。4月3日の対DeNA戦(横浜)は6回2安打無失点で、NPB復帰後初勝利を挙げた。しかし、その後は勝てず、1勝2敗、防御率6.12で中継ぎへ配置転換。来年からは再び、背番号「22」に戻す。輝きを取り戻せるかに注目が集まる。

■所属先が決まっていない選手も

 その他にも、DeNAの久保康友投手、後藤武敏内野手、日本一にも貢献した日本ハムの代打職人・矢野謙次外野手、西武の上本達之選手、渡辺直人内野手は、来季もベテランとしての存在感を見せてくれるはずだ。

 そして、岐路に立たされている選手も多い。世代のトップを走ってきた松坂大輔投手がその代表格。2年前のオフにメッツから日本に復帰。しかし、1軍での勝利はまだない。今年10月2日の楽天戦で日本復帰後初登板となったが、1回5失点(自責点は2)と精彩を欠き、登録抹消。オフにはプエルトリコでのウインターリーグに参加し、来季の復活を目指している。

 カープには、25年ぶりのリーグVという栄光の影で悔しさをにじませている者もいる。広島ではかつてのクローザー・永川勝浩が11試合のみの登板で2勝。左腕・江草仁貴は8試合のみの登板に終わった。内野の要だった梵英心は自己最少の7試合の出場に終わり、ヒットはなし。松坂世代は若手の台頭によより、出場機会に恵まれていない。

 ヤクルトの館山昌平投手、オリックスの小谷野栄一内野手もケガに苦しみ、正念場を迎えている。広島からFA宣言し、西武にテストを受けて入団した木村昇吾内野手は右膝前十字靱帯を断裂し、育成選手に。厳しいシーズンだった。

 巨人の加藤健だけでなく、DeNA・久保裕也、長田秀一郎両投手、西武・竹原直隆外野手も自由契約となり、所属がまだ決まっていない。100人近くいた松坂世代もNPBで所属球団があるのは約20人と数えるだけ。まだまだ活躍を期待したいところだ。

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