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ホークスV逸も高評価で1億5000万円到達 中村晃“リーグ屈指”の貢献度とは


去る12月13日。ソフトバンクの中村晃外野手(27)が、ヤフオクドーム内にある球団事務所で契約交渉に臨み、今季から3000万円増となる1億5000万円で来季の契約を更改。チームは悔しいV逸を喫した中で、増額を勝ち取った。

■複数の打順、守備をこなす27歳

 去る12月13日。ソフトバンクの中村晃外野手(27)が、ヤフオクドーム内にある球団事務所で契約交渉に臨み、今季から3000万円増となる1億5000万円で来季の契約を更改。チームは悔しいV逸を喫した中で、増額を勝ち取った。

 交渉後の会見。「3割は打てなかったが、他の数字は上がっているので、自分が目指すところには進んでいけていると思う」と語った背番号7。今季は2013年から3年連続で続けていた3割を逃す打率.287。それでも、高い評価を受けたのには、ワケがある。

 ソフトバンクにとって、中村晃の存在は重要である。今季は7番で開幕を迎え、シーズンを通じて1番、2番、3番、5番、6番と6つの打順に入った。守備でも左翼に加え、右翼、一塁を守った。チーム状況に応じて、どこの打順でも適応でき、かつ、この3つの守備位置ならば、高いレベルでプレーが可能だ。

 打撃面で、チームメートの柳田悠岐や松田宣浩のような派手さはなく、玄人好みのいぶし銀タイプである。だが、その数字を見てみれば、その働きがいかにチームに貢献していたかがよく分かる。

 今季は全143試合に出場。先に記したように、4年連続の3割到達こそ逃したものの、出塁率は.416を記録した。これは柳田、そして首位打者を獲得したロッテ・角中勝也に続くリーグ3位だ。この出塁率を生み出したのが、高い選球眼と類い稀なるバットコントロールである。

■四死球の合計はリーグトップ、パで“最も三振しにくい打者”

 今季の四球数は99個。他球団からの徹底マークにあっていた柳田が100四球だったことを考えれば、この数がいかに凄いか、お分かり頂けると思う。これに加えて、死球が12ある。四死球数にすれば、柳田を上回る。

 その一方で三振数はわずか53個。パ・リーグの規定打席到達者の中では楽天・藤田一也(44)、同・岡島豪郎(49)に次ぐ少なさで、同僚の内川聖一、オリックス・安達了一と同数である。

 だが、三振1つを喫するまでの打席数を見ると、中村晃は11.5打席で1つの三振。内川が11.4打席、藤田が10.2打席、銀次は10.1打席、安達は9.2打席となる。こう見ると、中村晃はパ・リーグで最も三振しにくい打者であることが分かる。

 追い込まれれば、ファールで粘り、四球につなげる。相手投手に球数を放らせることができることも、中村晃が高い評価を受けた要素の1つ。そして、三振を喫する可能性が少ないとなれば、チームとしても作戦面でのリスクは少なくなる。打率.287、7本塁打、50打点という、注目を浴びる数字からは見えないところに、中村晃のチームへの貢献度が隠されている。(※金額は推定)

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