ソフトバンク―西武１８ 　１２回、サヨナラ満塁本塁打を放ち、ナインの手荒い祝福を受けるソフトバンクのグラシアル（中央）＝ヤフオクドーム【写真提供：共同通信社】

　福岡ソフトバンクが延長12回、グラシアルのサヨナラ満塁本塁打で劇的勝利。首位攻防3連戦3連勝で連勝を9に伸ばした。

　2回までに6点をリードしながら、7回に追いつかれた福岡ソフトバンク。8回には2点を勝ち越されたが、直後に柳田悠岐の2ランで追いつき、試合は延長戦へ。まずは中田賢一の好投でこの日の負けがなくなり、12回裏の最後の攻撃。1死から西田哲朗がヒットで出ると牧原大成がつなぎ、今宮健太が歩いて1死満塁となり、打席はグラシアルまで回ってきた。2球ファールした後の3球目を叩くと、打球はライトスタンドの最前列へ。あまりにも劇的なサヨナラ満塁弾で、ソフトバンクは首位の西武に3連勝。これまでの連勝を9にまで伸ばし、西武との差を5ゲームにまで縮めた。

　キューバでもサヨナラ満塁弾の経験もあるというグラシアルは、「打った瞬間に結構飛んだなと思った。あの場面はきっとまっすぐが来ると思って、来た球を素直に打ち返した」という。工藤公康監督は「期待はしていたが、あんなサヨナラHRという形で終われてよかった」とグラシアルの一発に大満足だった。

　グラシアルにとっての本拠地初本塁打は、あまりにも劇的なサヨナラ満塁弾であると同時に、中田賢一の記念すべき通算100勝を決める一打にもなった。最後は「今のチームは選手が自信を持っているし、お互いを信頼し合っているように感じる」と、9連勝中のチームの雰囲気を語っていた。