広島―ヤクルト１７ 　ヤクルトに勝利し、ファンとタッチを交わす広島・西川＝マツダ【写真提供：共同通信社】

　広島東洋の西川龍馬が点の取り合いに終止符を打つ決勝本塁打を放った。

　序盤は東京ヤクルトが先行し、広島東洋が追い上げる展開となった。広島東洋は毎回得点を続け、4対4の同点で迎えた5回裏、2死2、3塁の場面で、西川が代わったばかりの秋吉から、ライトスタンドへ勝ち越しの3ラン本塁打を放った。自らの打席前に投手交代となり、西川は「（田中）広輔さんと左が来るかな、と話していたが、秋吉さんだったので、思い切っていった」と、サイド右腕の初球をフルスイングした。「前の打席は準備不足で、ストライクゾーンに手が出なかったので、この打席はアウトになってもいいと割り切って初球からいった」という西川の打球は、カープファンで埋まったライトスタンドに飛び込んだ。

　チームメイトの鈴木から「天才的な打撃」と評される西川だが、「球種はある程度、頭に入っていた」と振り返ったように、読みの一打でもあった。「スライダーでストライクを取りに来るか、真っ直ぐかどちらかだと思っていた」という一球は、真ん中に入ってくるスライダーだった。

　本塁打という結果に関しては「たまたまです」と謙遜した西川。「チャンスで回してもらっていたので、つないで、つないだ結果、打たせてもらった」とチームメイトに感謝した。天才的な打撃の反面、三塁守備の不安から、終盤は交代する場面も多いが「（上本）タカさんの方がうまいですから」と笑った西川は、「勝ってよかったです」と、終盤に逆転負けした前夜の嫌な負け方を払拭した勝利を喜んだ。