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「2部離れした」実力の堀誠&皆川仁(立正大) 2年後のプロ入り目指し強豪社会人へ

 東都大学野球2部リーグで戦いながらも、その注目度の低さには見合わない実力を見せていた堀誠投手と皆川仁外野手(ともに立正大)。2年後のプロ入りも狙える両選手は、それぞれ強豪社会人に進み、腕を磨く。

 

★黒木とエースの座を争った大型右腕

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堀誠(ほり・まこと)
出身地: 東京都杉並区
球歴:杉七少年野球部(軟式)→東京和泉リトルシニア(硬式)→日本航空高→立正大→NTT東日本
身長・体重(ポジション):186cm・79kg(投手/右投右打)
最高球速:145km/h
球種:ストレート、スライダー、カーブ、カットボール、シンカー

 オリックスにドラフト2位指名された黒木優太投手が「堀の存在は刺激になりました。応援する気持ちと1回戦の先発は穫られたくない気持ちがあって、良い関係を築けたのかなと思います」と切磋琢磨してきたのが、NTT東日本に進む大型右腕の堀だ。
 堀もまた「(黒木には)悔しい気持ちと頼もしさを感じました。負けたくなかったので成長できました」とライバルの存在が成長の大きな要因となったと語る。

 東京和泉リトルシニアから山梨の日本航空高へ野球留学した堀は、2年秋からエースとなるも2年夏の県準優勝が最高成績で甲子園には届かなかったが、その素材を買われ立正大に入学。
 186cmの身長を使いきるまでに時間はかかったが、「3年秋に我慢強く坂田(精二郎)監督に先発として使ってもらったことで、シーズン通じての疲れとか様々なことを知ることができました」と話すように、4年時は黒木とともに投手陣の柱として活躍。球持ち良く放たれるキレの良いストレートと、シンカーなどの変化球を武器に、春秋ともに防御率1点台を記録した。
 入替戦行きの切符が掴める優勝には惜しくも届かなかったが、飛躍の1年となった。
 社会人野球での目標は「レベルの高い中で打たせて取る投球をしていきたいです。そのためにもコントロールや変化球の精度をワンランクもツーランクも上げていきたいです」と抱負を語った。

★東都2部の安打製造機

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皆川仁(みなかわ・じん)
出身地: 福島県いわき市
球歴:植田ソフトボール少年団(ソフトボール)→植田中/いわき松風クラブ(軟式)→学法石川高→立正大→日本生命
身長・体重(ポジション):178cm・79kg(外野手/右投左打)
今季打率:.405(春/首位打者).306(秋)

 皆川は今春、11試合で打率.405、27塁打とリーグトップの成績を残し、東都大学2部リーグで最も恐れられた打者と言ってもいい。外野フライの凡退時でも、滞空時間の長い打球に投手は怖さを感じる。また夏の侍ジャパン大学代表候補合宿にも選出された(右足首靭帯損傷により辞退)。
 だが、そんな活躍を見せる前の昨秋は13試合で打率.176、12三振と大きく苦しんだ。このままではいけないと感じた皆川は、打撃練習を変えた。
「これまでは“調子を良くするための打撃練習”をしていたのですが、そうでがなく“苦手なボールでタイミングや芯を外された時にどうするか?”と考えるようにしました。詰まった当たりでもヒットになるのが良いスイングだと思います」
 現在の打棒を見ると、それをプロ野球の世界でも見たくなる。皆川本人も「野球をやっている限りは(プロ入りは)やはり目標です」と答えた。それでもまずは、社会人野球の強豪・日本生命に進むことを決めた。
「日本生命さんに高く評価してもらいましたし、プロに行ける選手は社会人に入ってからも行くことができます。まだこの1年しか結果を出していないので、社会人では結果を継続的に残して、プロでも結果を残せる選手を目指したいです」
 
 2部リーグで戦い、日の目を見ることは少なかった両選手だが、4年間でじっくりと実力を根付かせただけに、社会人球界ではその花を大きく咲かせて欲しい。
 
文・写真:高木遊
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