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生命線は「三振しにくい打撃」 アストロズ青木宣親に寄せる指揮官の期待


オフシーズンに突入以来、積極的な補強を続けているアストロズ。11月にはウェーバー手続きを経て、マリナーズから青木宣親外野手を獲得した。その後も、外野手カルロス・ベルトラン、ジョシュ・レディックらをフリーエージェント(FA)で、捕手ブライアン・マキャンをトレードで獲得するなど補強の手を緩めない。

■マキャン、ベルトラン、レディック…長打力ある打者を次々獲得も青木に寄せる期待

 オフシーズンに突入以来、積極的な補強を続けているアストロズ。11月にはウェーバー手続きを経て、マリナーズから青木宣親外野手を獲得した。その後も、外野手カルロス・ベルトラン、ジョシュ・レディックらをフリーエージェント(FA)で、捕手ブライアン・マキャンをトレードで獲得するなど補強の手を緩めない。

 元々ジョージ・スプリンガーら若手野手の豊富な球団なだけに、長打が期待される打者の獲得も相まって、青木の出場機会は減るかと思われたが、それもどうやら杞憂に終わりそうだ。来季で就任3年目のA.J.ヒンチ監督は「彼は三振を取りづらい打者」と高評価。調子の浮き沈みの激しいアストロズ打線の中で、バランスを取る役割を期待しているという。球団公式サイトが伝えている。

 ヒンチ監督は、青木の獲得を「他球団の目をかいくぐってコッソリとした」ものだったと表現。マキャン、ベルトランら長打力のある打者の獲得で、青木の存在が霞みがちだったが、指揮官はメジャー6年目を迎える日本人外野手の打撃スタイルを絶賛。獲得の意図を「うちの打線は空振りか本塁打かという打線だが、アオキはメジャー屈指の三振になりづらい打者。そういう打者の加入で打線にバランスが取れることが魅力だった」と説明した。

■今季はメジャーで3番目に“三振に縁遠い”打者

 監督の言葉どおり、今季のアストロズ打線はア・リーグではレイズに次ぐ2番目に多い三振数(1452個)を記録。本塁打数はリーグ9位の198本だったが、圧倒的に多い三振数を減らすのが当面の課題だ。一方で青木は三振が少ない打者だ。

 記事によれば、今季の青木はシーズンで45三振を記録。これは10.38打席に1三振した計算になり、メジャー全体を見るとアンドレルトン・シモンズ(エンゼルス・12.71打席に1度)、ジョー・パニック(ジャイアンツ・11.19打席に1度)に次ぐ“三振に縁遠い”打者だったという。さらに、メジャー1年目だった2012年からの通算成績を見ると、青木は12.48打席に1度しか三振を記録しておらず、これは2012年以降ではメジャートップだそうだ。

 獲得当初は「好不調の波が激しいと悪評のある我が打線に、彼の質の高い打席内容が加わることは大きな魅力だった」と話す指揮官は、外野手として多用する方針だったというが、他選手の獲得を経て、やや軌道修正。主に、右投手が先発の時に起用することを明言しながら「1番を打つのか9番を打つのか、左腕が先発の試合はどれだけ出場するのか、そういったことはこれから決めたい」と話したという。

 強打者の加入で、その存在が危機に立たされたかに見えたが、打撃スタイルの違いこそが、青木がレギュラー獲得を実現させるための生命線になると言えそうだ。

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