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代役先発で今季3度目の完封!福岡ソフトバンク・武田翔太「リズムよく投げられた」

楽天戦で完封し、3勝目を挙げたソフトバンク・武田=ヤフオクドーム【写真提供:共同通信社】


 福岡ソフトバンクの武田翔太が29日の東北楽天戦で緊急先発し、約2カ月半ぶりの白星を今季3度目の完封で飾った。

 この日の先発が予定されていた中田賢一が前々日から体調を崩し、ウイルス性胃腸炎の診断を受けて登録抹消。急遽、先発が決まったのが2軍で調整を続けていた武田翔太だった。前日、工藤公康監督は「まだ2軍で調整させたかったが投げる投手がいないから」と、“見切り発車”的な先発であることを正直に吐露していた。

 武田は、そんな周囲の冷ややかな目に反発するかのように初回から好投を続け、低目にボールを集めて内野ゴロの山を築いた。全27個のアウトのうち15個が内野ゴロ。ヒット3本以外に外野に飛んだのは3本のみというほぼ完璧なピッチングで2塁すら踏ませずに今季3度目の完封勝利。3打点の内川聖一とともにお立ち台に上がった武田は「野手のみなさんが一生懸命に守ってくれたのでリズムよく投げられた」と野手陣に感謝した。

 「ずっと自分の思い通りにいかず、一番苦しんだ1年だが、どうにかして這い上がってやろうと思ってマウンドに上がった。これをシーズンの最後まで続けていきたい」と5月13日以来の白星を噛み締めた武田。工藤監督は「今日は逃げずにバッターに向かっていっていたね。今までは考えすぎちゃったところがあると思うが、気持ちで負けないことが大事だし、それが次につながる」と、武田の精神的な成長を認めた。今季3度目の完封だが、今季の勝ち星は3勝(7敗)。今後の巻き返しを期待したい。