- 高校野球
2018.07.20 22:22
4時間超えの熱戦で勝又温史が151km/h!投打に活躍し日大鶴ヶ丘8強!明大中野八王子も勇敢に戦い抜く
7月20日、ダイワスタジアム八王子で西東京大会5回戦が行われ、日大鶴ヶ丘が19対15で明大中野八王子を下して、準々決勝進出を決めた。
「こんなにしんどい試合は久々」と日大鶴ヶ丘・萩生田博美監督がホッと胸を撫で下ろしたように、試合時間4時間4分の熱戦を両校が戦い抜いた。y
初回から両校ともに球審の狭いストライクゾーンに苦しみ、初回だけで日大鶴ヶ丘7点(4安打5四球)、明大中野八王子6点(1安打8四死球)を挙げる波乱の幕開けとなり、5回終わって試合時間は2時間半を超え12対15、両校合わせて30四死球で前半戦を終えた。
ここで選手および観客の熱中症予防のための5分間の中断が入り、6回表も無得点に終わり嫌な流れとなった場面で、6回裏からマウンドに上がったのはプロ注目の最速152km/h右腕・勝又温史投手(3年)だ。3回戦の都立永山戦で体調を崩して2回で降板していただけに、3点ビハインドで「今度は自分がチームを助ける番」と気持ちを引き締めてマウンドに向かった。
また、この試合までに鏡の前にシャドウピッチングを繰り返し「右手が地面に着くほど」という腕の振りを意識して取り組んできた成果を生かして、飛ばしていく。これによりスカウトのスピードガンで151km/hを計測したストレートと、スライダーやカットボールを織り交ぜた投球で明大中野八王子打線に追加点を与えない。
すると日大鶴ヶ丘は8回に2四球でチャンスを作ると、左打席に入った勝又が一塁強襲のライト前安打で二者を生還させると、中島健輔内野手(2年)がしぶとくセンター前に運んで勝又が生還。ついに同点に追いつく。
さらに9回、齋藤北斗捕手(3年)のタイムリー三塁打で勝ち越すと、続く勝又が「今日の試合の鍵は自分が握っていると思った」と強気で振り抜いた当たりはライト頭上を超える勝ち越し打となり、勝又は三塁に到達すると雄叫びを挙げた。
そして、その裏に最後の打者を三振に斬ってとり試合終了。4回1安打無失点7奪三振4四球という好救援で、チームを8強入りに導いた。
準々決勝の相手は春に敗れた創価。勝又が投打にわたる活躍を見せて、雪辱の舞台を最高の形で整えた。
第100回全国高等学校野球選手権記念大会・西東京大会
★5回戦・日大鶴ヶ丘vs明大中野八王子
日705000034=19
明 600450000=15
【日】松田、高岡、三浦、勝又–齋藤
【明】江口、浦田、進藤、笹川–杉山
◎日大鶴ヶ丘・萩生田博美監督
「(両校合わせて23安打41四死球が出たが)こういうことがあるのも野球です。負けなかったのが大きな財産。甲子園に出る時は、こういう粘りがある時なので面白くなってきました。三浦もよく5回まで投げてくれました。もっと早い回から勝又だったら、どうなっていたか分かりません。チャレンジャーとして(準々決勝以降で使用する)神宮球場で試合ができる喜びを感じて戦いたいです」
◎明大中野八王子・椙原貴文監督
「投手も野手もよく考えてプレーしてくれました。進藤にはエースとしての背中を後輩に見せてくれて嬉しかったです。粘り強くなり、果敢に勝負しにいった選手たちを誇りに思います」
◎明大中野八王子・石川隼主将
「練習試合でもこうした展開の試合はあったので負ける気はしなかったですが、我慢すべきところで我慢ができず悔しさしかありません。でも油断はせずに戦うことはできましたし、部員そして学校全体で戦うことができて感謝の気持ちでいっぱいです」
文・写真=高木遊