２０セーブ目を挙げ、１２球団全てからセーブをマークしたオリックス・増井＝札幌ドーム【写真提供:共同通信社】

オリックスの増井浩俊が29日の北海道日本ハム戦で今季20セーブを挙げるとともに、全12球団セーブの記録を樹立した。

　昨年オフ、「環境を変えて勝負してみたい」とFA移籍を決断。福良監督からの「チームが上にいくために力が必要」という言葉が決め手となり、オリックス入りを決めた。移籍後最初の登板となった3月31日の福岡ソフトバンク戦では、セーブのつかない場面だったが2失点と、不安を残すデビューになってしまった。その後は、不安を打ち消す安定感抜群の投球を見せ、5月以降の失点はわずかに1と守護神として君臨。前日まで、リーグトップの19セーブを挙げていた。

　この日の出番は、1点リードで迎えた9回裏。「試合前、ファイターズファンから頑張ってと声をかけてもあったので、すごく投げやすかった」と、昨年まで慣れ親しんだ札幌ドームのマウンドへ上がった。まずは先頭のレアードをキャッチャーファウルフライに打ち取ると、続く鶴岡慎也を空振り三振、田中賢介をレフトフライに抑える圧巻の内容で史上4人目となる12球団セーブを達成した。

　ヒーローインタビューでは、「信じられないですね。1試合1試合全力でやってきて積み重ねて、それがこういう記録に繋がって本当にうれしく思います」と笑み。江夏豊、クルーン、サファテという名だたるクローザーと肩を並べた増井。自身初のセーブ王のタイトルの可能性も高いだけに、今後の投球からますます目が離せない。