中日ドラゴンズ、オリックスブルーウェーブ、楽天ゴールデンイーグルスで活躍した元プロ野球選手の山崎武司（※）がホストを務めるインターネット番組『Timely! CHANNEL LIVE』が11月29日、東京都内のスタジオで生放送された。

同番組は元プロ野球選手をゲストに迎え、これまでの野球人生について裏話を含めた深いトークを展開。第3回目となった放送では、ヤクルトスワローズや楽天ゴールデンイーグルスのほか、メジャーリーグのタンパベイ・レイズをはじめ、ピッツバーグ・パイレーツやオークランド・アスレチックスでプレーした岩村明憲をゲストに迎えた。

岩村は現在、2015年にBCリーグに参入した福島ホープスで、球団代表・監督・選手と3足のわらじを履いて奮闘中だ。

※：「崎」は正しくは「たつさき」

岩村明憲
■懐かしい1枚の写真…アメリカン・リーグ優勝決定の瞬間

番組では、岩村が懐かしい写真を1枚ピックアップ。「たくさんあるけれども…」と前置きした上で選んだ写真は、レイズ在籍時のアメリカン・リーグ優勝決定の瞬間だ。

2008年10月19日、アメリカン・リーグ優勝決定シリーズ第7戦。レイズはボストン・レッドソックスと運命を決める試合に臨み、見事に3-1で勝利。対戦成績4勝3敗となり、球団創設11年目にして初のリーグ優勝およびワールドシリーズ進出を決めた。

写真では、二塁を守る岩村がゴロをさばき、そのままベースを踏んで跳び上がっている。

この試合の心境について岩村は、「心臓が口から出てくるくらいの緊張感。でも、この経験が2009年の第2回ワールド・ベースボール・クラシックに生きた」と振り返る。そして、二塁ゴロをさばいた時の裏話を披露。

「ちょうどセカンドの前でイレギュラーして、『やばいっ！』と思ってグラブを差し出したら、たまたまボールがグラブに入った。そこからトスをしようか迷ったけれども、いや自分でベースを踏もうと決めて、こういう写真になった」と状況を解説する。

「ボールがイレギュラーした瞬間、ベンチにいたチームメートたちも『あっ！』って言ってたみたい」

■ウィニングボールが2コ？

この時のウィニングボールは「球団に返した」という岩村。それでも、しばらくの間は自分が保管していたと話した。

しかし、後日「実はアキ（岩村の愛称）からウィニングボールをもらったんだ。ボールはうちにあるよ」と言うチームメートが現れたという。

岩村はこれに対して、「優勝が決まって、最後にマウンド上に集まった時に、アキのところからボールが落ちてきたって言い張る。自分はシャンパンファイトがその後にすぐ始まることが分かっていたから、ボールが濡れないようにするために、ロッカーにわざわざ置きに行った。そこまでやったのに、なぜかもう1球出てきたっていうね」と当時のエピソードで笑いを誘った。

■自分がチームを牽引したという思いがあった

さらに、アメリカン・リーグ優勝決定時の思い出話は続く。「初めてのシャンパンファイトだったけれども、シャンパンがキンキンに冷えていた。普通は冷やさないのに、めちゃめちゃ冷えてて寒かった」と明かし、これには山崎も「日本でも優勝した時にビールかけは冷やしていない」と話した。

また、日本での優勝とメジャーリーグでの優勝の違いを聞かれると「それほど変わらない」とした上で、「ヤクルトで2001年に優勝した時は先輩がたくさんいたので。3番に稲葉さん、4番にペタジーニ。5番が古田さんで6番が自分、7番にラミレス、8番に土橋さんか宮本さんがいて、一番歳が近いのが稲葉さん。みんな先輩だった」と振り返り、山崎は「今考えるとスゴい面子だね」と回想。

一方のレイズの優勝時は、「自分が引っ張った」という思いが強くあったという。「自分のバットで優勝させてやると常に思っていたし、ボールが飛んでくれば、自分がアウトにしてやる」という気持ちを抱いていたという。

当時のレイズについて、「10年間で9回最下位のチームだった。基本的に5位という感じ。そのチームがリーグ優勝したわけなので」とメジャーリーグで成し遂げた偉業を懐かしく振り返っていた。

裏話トーク（4）に続く

■Timely! CHANNEL LIVE
動画サイト『Timely! CHANNEL』の野球生番組。スポーツコメンテーター山崎武司をホストに迎え、ゲストとともに現役時代や高校時代のエピソードを語る1時間番組。これまでのゲストは第2回野村弘樹、第3回岩村明憲。第4回の放送は1月中旬を予定。