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上原浩治は連続世界一への“切り札” 米メディア「カブスを一層恐ろしいものに」


レッドソックスからフリーエージェント(FA)となっていた上原浩治投手が、今季世界一に輝いたカブスと契約合意に達したと米複数メディアが報じた。

■WS制覇のカブスと年俸5億円で合意、“世界一クローザー”が揃う

 レッドソックスからフリーエージェント(FA)となっていた上原浩治投手が、今季世界一に輝いたカブスと契約合意に達したと米複数メディアが報じた。1年450万ドル(約5億1300万円)と伝えられている。カブスからはシーズン終了後にアロルディス・チャップマン投手がFA(ヤンキース契約)となったものの、ロイヤルズからトレードでウェイド・デービス投手を獲得したばかり。2013年(上原)と2015年(デービス)のワールドシリーズで“胴上げ投手”となったクローザーが世界一チームに揃うこととなった。

 米「CBSスポーツ」は、来季のカブスのブルペンの陣容として、クローザーはデービスになると予想。現時点で、右腕はカール・エドワーズ・ジュニア、ジャスティン・グリム、ヘクター・ロンドン、ペドロ・ストロップ、そして上原の5人がいて、左腕はブライアン・ダンシングのみと紹介している。複数メディアは、上原が昨季、左打者に対して被打率.139(79打数11安打)という圧倒的な数字を残したことを特筆。チャップマン、トラビス・ウッドがFAとなり、マイク・モンゴメリーは先発ローテ入りが期待されるため“左腕不足”となりつつあるカブスのブルペンで、上原の存在は貴重だという。

 地元メディア「CSNシカゴ」は「ウエハラは右投げだが、左打者を抑える。日本での素晴らしいキャリアの後、7つのポストシーズンシリーズ(ワイルドカードゲーム1度、地区シリーズ3度、リーグ優勝決定シリーズ2度、ワールドシリーズ1度)で投げている。開幕日の翌日に42歳を迎えるが、ズラリと並ぶブルペンがウエハラの維持を助けるだろう」と分析。負担がかかりすぎることはなさそうだ。

■ブルペンに深みをもたらす上原、「彼はリアルウェポン(真の武器)になりうる」

 また、CBSスポーツの記事では「取引が完了したとして、カブスはリスクの高いイニングでウエハラに頼る必要がない。デービス、エドワーズ、ロンドン、ストロープが再びそこを担うことになる。それが一番だ。キャリアの現時点において、ウエハラはかつてのように支配的ではないし、時にホームランを打たれる傾向がある」と指摘。一方で「ブルペンに深みがありすぎることはないので、もちろんウエハラのようなベテランの加入はカブスを一層恐ろしいものにする。彼は中盤でのリアルウェポン(真の武器)になりうる」として、大きな補強だと評価している。

 上原はレッドソックス在籍4年目の今季、50試合登板で2勝3敗7セーブ18ホールド。2009年の渡米後、防御率3.45はリリーフ転向後はワーストの数字だった。8月には右胸筋を痛めて故障者リスト(DL)入りも経験。しかし、9月7日のパドレス戦で復帰してからは11試合連続無失点と快投を続け、地区優勝に大きく貢献した。

 これまでオリオールズ、レンジャーズ、レッドソックスと渡り歩いてきたため、ナ・リーグの球団に所属するのは初。過去、ナ・リーグ球団と対戦する交流戦では42試合登板で2勝1敗13セーブ、防御率1.82という好成績を残している。

 CSNシカゴによると、カブスの強化責任者セオ・エプスタイン氏は今オフ、「ブルペンに深みをつけたい」として、「真に才能あふれる、深みのあるブルペンを作ろうとしている。均衡した試合で多くの異なる選択肢をもてるような」と話していたという。「彼らを2日に1度使い、時折連続で使うこともできる。そうすれば彼らをシーズン終盤でもフレッシュに保ち、10月にも強いままでいさせられる」。10月のポストシーズンを見据えており、上原は2年連続世界一を目指すための“切り札”と言えそうだ。

 42歳の右腕は来季、現在メジャーNO1の強豪球団で存在感を見せることになりそうだ。

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