６回中日２死満塁、代打モヤが左中間に走者一掃の二塁打を放つ＝ナゴヤドーム【写真提供:共同通信社】

序盤の劣勢を跳ね返した中日が5対3で横浜DeNAに逆転勝利。ひと振りで大仕事をやってのけたのは、代打・モヤだった。

　2点を追いかける6回裏。高橋周平のタイムリーで1点差とした後、2死満塁となったところで8番・大野奨太の代打で登場。得点圏打率4割を誇る男は、「最高に集中して打席に入った。チャンスだったので打てると思ったボールは積極的に行こうと思っていた」と、横浜DeNAの三嶋一輝が初球に投じた142キロのストレートを捉えて左中間を真っ二つ。決勝の走者一掃の逆転タイムリー2塁打となった。

　中日は交流戦で苦戦した原因のひとつに、満塁の好機で得点できないジレンマに陥っていた。だが、この試合を含めてモヤが満塁機に残した成績は打率.667で押し出し四球も2つ選んでの計７打点。“満塁男”と呼ぶにふさわしい勝負強さを見せている。ここまで外国人枠の影響で1軍登録を抹消することも度々あるが、「1軍でも2軍でもチームの勝利のためにやることは変わらないよ」と焦りや不満など微塵もない。代打という役割においても「これまではレギュラーとして毎日試合に出ていたから、いまは代打について勉強しているところだね。出番がどこで回ってくるか分からないから、いつでもパフォーマンスをできるように集中しているよ」と前向きに取り組んでいる。なにより勝利した瞬間に満面の笑みをこぼして仲間と喜びあう姿にチームへの愛を感じさせるモヤ。勝負の後半戦に向け、その存在は欠かせないものになっている。