- プロ野球
- MLB
- 高校野球
2016.12.07 12:00
岩村明憲の忘れられない「あの一球」は黒田博樹のストレート…裏話トーク(1)
中日ドラゴンズ、オリックスブルーウェーブ、楽天ゴールデンイーグルスで活躍した元プロ野球選手の山崎武司(※)がホストを務めるインターネット番組『Timely! CHANNEL LIVE』が11月29日、東京都内のスタジオで生放送された。
同番組は元プロ野球選手をゲストに迎え、これまでの野球人生について裏話を含めた深いトークを展開。第3回目となった放送では、ヤクルトスワローズや楽天ゴールデンイーグルスのほか、メジャーリーグのタンパベイ・レイズをはじめ、ピッツバーグ・パイレーツやオークランド・アスレチックスでプレーした岩村明憲をゲストに迎えた。
岩村は現在、2015年にBCリーグに参入した福島ホープスで、球団代表・監督・選手と3足のわらじを履いて奮闘中だ。
※:「崎」は正しくは「たつさき」
岩村明憲
■忘れられない「あの一球」
番組では、岩村の野球人生において忘れられない「あの一球」について話した。岩村はヤクルト在籍時代の2003年、セ・リーグ開幕戦での広島・黒田博樹との対戦を挙げた。
番組では、卓上に置かれた「野球盤」を使用して再現VTRが放送された。
この試合で岩村は5番・三塁で出場。黒田が好投し、3-1と広島がリードして迎えた9回裏、1死二塁の場面で打席に入った岩村は2ストライクと追い込まれる。そこで黒田が投じたアウトハイのストレートを、全力で振りにいくも空振り三振。この空振りにより、岩村は今までに感じたことのない激痛を右手首に覚えたという。
「アドレナリンも出ていたのでそれほど痛くはなかったけれども、試合が終わってベンチに戻って荷物を片付けようとしたら、帽子のツバが持てなかった。親指と人差し指をくっつけることもできなかった。正直、心が折れかけた」
三振直後の状況を回想する。病院では「三角線維軟骨複合体水平断裂」と診断され、全治2カ月の重傷だった。これにより長期離脱を余儀なくされた岩村が復帰したのは、シーズン後半の開幕戦になる。
これに対して山崎は、「僕も空振りして痛めたことがある。これはパワーヒッターの宿命」と話した。
岩村は当時の心境を、「リハビリをやっている時も、空振りした時の残像が出てきた」「いつか、黒田さんのあの球を打てるようになりたいと思った」と振り返った。
■ファンとの交流が励みになった
開幕戦で負った大ケガ。長いリハビリ期間で岩村の心を支えたのが、ファンとの交流だったという。ケガをした年にちょうど公式サイトを立ち上げていたという岩村。
「左手だけでキーボードを打って、簡単な野球講座みたいなことをしていた。そういうファンの方との交流で気持ちをつなぎとめることができた。ファンの支えは大きかった。それがあったからこそ、リハビリで次へのステップに踏み込んでいけた」
改めて当時のファンに感謝の気持ちを表した。
■似た球をホームランできて本当に嬉しかった
長いリハビリを終え、岩村は後半戦で復帰。甲子園球場で右中間にシーズン第1号ホームランを放った時のことを、「第1号だったと思うけど、あの時のホームランは本当に嬉しかった。もう打てないと思っていた」と回想。
これに対して山崎は、「ケガ上がりで、この先どうなっていくんだろうってことはあったと思うから、その気持ちは本当によく分かる」とホームランバッターとして共感する。
また、リハビリの期間中に「黒田さんのあのアウトハイの球を打ちたいと思っていた」という岩村は、「同じシーズンの10月、広島市民球場で黒田さんと対戦する機会があって、似たようなコースに来た球をレフトにホームランを打てたことが、本当に嬉しかった」と当時を振り返った。
山崎は楽天在籍時代に岩村とチームメートだったことにも言及。
「がんちゃん(岩村の愛称)とは2年間楽天で一緒にプレーした。最初は性格がやんちゃ坊主かと思っていたけど、イメージと全然違った」とし、「すごく後輩のことを考えるし、チームを思う人間」と称賛していた。
裏話トーク(2)に続く
■Timely! CHANNEL LIVE
動画サイト『Timely! CHANNEL』の野球生番組。スポーツコメンテーター山崎武司をホストに迎え、ゲストとともに現役時代や高校時代のエピソードを語る1時間番組。これまでのゲストは第2回野村弘樹、第3回岩村明憲。第4回の放送は1月中旬を予定。