阪神に勝利し、お立ち台でポーズをとる西武の菊池（左）と秋山＝メットライフドーム【写真提供:共同通信社】

　埼玉西武の菊池雄星が、1日の阪神戦で見事なピッチングを展開して完全復活をアピールした。

　開幕から6試合を投げて5勝負けなしと首位をひた走るチームを支えてきた菊池。しかし、左肩の機能低下が原因で5月6日に登録抹消となった。開幕前から肩の張りに耐えながら投げていたが、開幕から約1ヵ月で回復の遅れが生じてしまったという。

　約1カ月ぶりの先発となったこの日。初回にいきなりヒットと四球で無死1、2塁と得点圏にランナーを進めるが、「腕が吹っ飛ぶぐらい振りました」と闘争心が表れた投球を披露。150km/hオーバーのストレートも繰り出すなど、圧巻の投球で後続を退けた。2回以降は、尻上がりに調子が上がり6回まで毎回の9奪三振で3安打無失点。ここで降板となったが、リリーフ陣が序盤で奪った2点をエースの勢いを引き継ぎで守り、完封リレーを見せた。

　多くのファンから「おかえり！」という声が響く中でお立ち台に上った菊池。「粘り強く投げられたと思いますし、今日は勝ちたいっていう強い心で投げられました」と復帰登板を振り返った。5月は24試合で10勝14敗と負け越した埼玉西武。しかし「ここからは離脱することなく、チーム一丸となって頑張りたい」と菊池。完全復活を宣言したエースの存在は、下降気味だったチーム状況を再浮上させる起爆剤になるはずだ。