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早大・小島和哉が志願の連投で流れ呼び込み慶大に雪辱。大久保監督「今季ワーストゲーム」【東京六大学野球】

既に秋春連覇を決めている慶大は早大との2回戦でも勝利を挙げれば全校から勝ち点を挙げる完全優勝達成だったが、早大の前に0対9で敗れた。

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「小島の気迫が攻撃に繋がりました」と早大・高橋広監督が振り返ったように、2日連続の先発登板となった主将・小島和哉投手(4年・浦和学院)の粘りの投球が打線の爆発を導いた。

 前日の1回戦は8回136球を投げて3失点で敗戦投手となった小島は、合宿所に戻ると監督室を訪れ、2回戦の先発を直訴した。高橋監督は止めたが、小島の意思を受け止め「明日の朝の状態を見てから」と保留。そして今朝「肩も肘も張りがなかったので」と小島は再直訴し、マウンドに上がった。
 小島は序盤から毎回安打を許す苦しい投球内容ではあったものの「得点圏に走者を背負っても、頭は冷静に、気持ちは強くいけました」と粘りに粘り7回9安打を浴びながらも無失点に抑えた。

 これに打線も応えて、吉澤一翔内野手(2年・大阪桐蔭)と小太刀緒飛外野手(4年・日本文理)に本塁打が飛び出し、相手のミスにも乗じる形で8安打9得点を挙げた。
 小島は「今日の勝利が明日にも秋にも繋がると思います」と控えめに笑みを見せて、「明日のことは帰りのバスで考えたい」と3連投には含みを持たせた。

◎慶大・大久保秀昭監督
「今季ワーストゲーム。昨年負けて優勝を逃した試合(対早大2回戦)と同じくらいの屈辱です。こちらのミスが出て一挙に流れが向こうに行ってしまった。“いくつミスが出たんだ”という試合。(優勝は決まっても負けられない早慶戦)ではありますが、“連投の美学”みたいなものは、僕はクエスチョンですね」

高橋監督は小島の3連投について「無きにしもあらず」と明言を避けた

★早稲田大vs慶應義塾大1回戦
慶大 000000000=0
早大 00302040X=9
【慶】●菊地、高橋佑、田中裕、関根、木澤、石井—郡司
【早】○小島、今西、徳山—岸本
本塁打:早大・吉澤《3回ソロ》小太刀《7回2ラン》

小太刀(1枚目写真右)の本塁打でダメ押し、盛り上がる早大ベンチ

文・写真=高木遊