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ホークス武田が語る復帰即最多勝・和田の存在感「相変わらずエグい」


今季は自己最多の14勝をマークし、ソフトバンクで「右」の勝ち頭となった武田翔太。その若きエースが、入団当時から師事するのが、今季メジャーから復帰を果たし、リーグ最多勝(15勝)を獲得した和田毅だ。

■右腕・武田が目標とする左腕・和田のすごさ「ハンパないですよ」

 今季は自己最多の14勝をマークし、ソフトバンクで「右」の勝ち頭となった武田翔太。その若きエースが、入団当時から師事するのが、今季メジャーから復帰を果たし、リーグ最多勝(15勝)を獲得した和田毅だ。

 通常、右投手が目標とする存在に、左投手の名前を挙げることは少ない。年齢差は干支が同じ12歳、投球スタイルも異なるベテランとの関係とは――。プロ5年目を終えた23歳に話を聞いた。

――今シーズンは、入団した時に目標の投手に名前を挙げていた和田毅投手が復帰し、最多勝を獲得しました。チームメイトとして、近くで見て何か感じたことはありますか。

「相変わらずエグいです。ハンパないですね。僕は入団した時、ちょうど入れ替わりで和田さんがメジャーに行ったんですけど、ピッチングがちょっと細かくなったイメージはあります。やっぱり向こうでは、球数を気にするじゃないですか。だから小さい変化球とか、動かす系とか、そういうところがめっちゃ繊細だなと思いました」

――技術的な面では、和田投手がすごいなと思うことは。

「学ぶところしかないです。練習なんかを見ていても、ハンパないですよ。トレーニングも細かいし、量もすごいし。ベテランでも、ここまでやれるのかと、すごいですね」

■左腕に惹かれる部分は「クレバーさ」、「めっちゃ考えてやっている」

――和田さんは左投手なので、目標の投手に名前が挙がったのは、意外な気もしたのですが、理由は何ですか。

「やっぱりクレバーな感じが好きなんですよね。めっちゃ考えてやっているなと思うので」

――考えているというのもそうですが、打たれた時でも、表情に出ないですよね。

「僕は正反対なんですよ。めっちゃ顔に出るので。最近は、あまり出さないようにしていますけどね」

――笑顔が話題になった時期もありましたよね。逆に感情の動きをコントロールしているのかなとも思ったのですが。

「特に考えてなかったですね」

――和田さんと初めて話をしたのはいつですか。

「初めて会ったのが、日米野球の時だったんです。あ、和田さんだと思って、挨拶に行ったら、『おお、久しぶり』と言われて。オレ、会ったことないんだけどなと思って(笑)」

――野球の世界って、そういうこと多いですよね。メディアを通じて、知り合いみたいな感覚になっていることがありますよね。

「そうなんですよ。それで『和田さん、初めましてですよ』といったら、『おお、そやったな』と言われて、それでちょっと打ち解けましたね」

■和田は「どっしりしている」、最も声をかけられる投手は…

――ホークスの投手陣は、武田さんをはじめとして若い選手が多いですが、和田さんは復帰して1年目で、精神的支柱のような存在になりました。

「やっぱりいろいろと話もしてくれますし、どっしりしてるなと。僕はどちらかと言えば、和田さんよりはバンデンハークに、めっちゃ言われるんですけどね」

――どんなことを言われるんですか。

「バンディも和田さんもそうですけど、先発ピッチャーって、投げない日があるじゃないですか。その時にはメールが来たりします。バンディとはロッカーが隣だということもあるんですけど、僕が打たれた翌日は、めっちゃ慰めてくれるんです。ダイジョウブ、ダイジョウブだよ、みたいな感じで。それが面白くて」

――メールは日本語で来るんですか。

「バンディは、ツイッターを通してきます。英語ですね」

――英語で返すんですか。

「こっちはメールで返します。バンディはめっちゃいい人です。和田さんも、いい人ですけどね。悪い人、いないですよ。ウチの投手陣は」

大久保泰伸●文 text by Yasunobu Okubo

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