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ついに怪物復活!中日・松坂が6回1失点の粘投で日本球界4241日ぶりの白星!

6回、2死一、二塁のピンチでDeNA・大和を右飛に打ち取り、笑顔でベンチに戻る中日先発の松坂=ナゴヤドーム【写真提供:共同通信社】


ついに“平成の怪物”が復活の白星を手にした。今季3度目となる先発のマウンドに上がった中日・松坂大輔が、6回を3安打1失点。計8四死球で毎回走者を背負いながらも、押し出しの四球による1点に抑え、日本球界では4241日ぶりに勝利投手に輝いた。

 今季ここまで登板した2試合は好投しながら勝利に恵まれなかったが、この試合で勝利をできた要因はこのひと言に凝縮されていた。「僕はとにかく、自分で連敗を止めてやるという気持ちで初回から飛ばしていました」。走者を本塁に還さない執念のピッチングは初回から。リーグトップの9盗塁を成功させている先頭打者・神里和毅を四球で出塁させるも、バッテリーを組む大野奨太が牽制で刺したリズムに乗り、続く大和と筒香嘉智をレフトフライに打ち取った。2回表に安打と四球で背負った1死1、2塁のピンチを無失点で切り抜けると、3回表は2つの四死球でピンチを招いたが、ロペスをレフトフライで難を凌いだ。

 最大の局面は5回表。このイニングも2者連続四球などで2死満塁のピンチ。ここでこの日2安打を浴びていた宮﨑敏郎に押し出しの四球を与えて1点を献上した。だがそれも、松坂にとっては想定内だった。「最悪、ああいう形(押し出し四球)でも仕方がないのかなと。むしろ、ああいう形のほうが最少失点で終われるんじゃないかと思っていました」。続く梶谷隆幸を1球でファーストゴロに仕留め、まさに計算どおりのピッチング。100球超えながら志願の続投で臨んだ6回表も無失点に抑えて降板し、7回以降は鈴木博志から岩瀬仁紀、最後は田島慎二の継投で逃げ切った。

 4月19日の前回登板(阪神戦)と比べれば四死球の数も多く、走者を背負う苦しいピッチングとなったが、2点のリードを保ったままリリーフ陣にバトンを託したことが前回までとの明らかな違いである。終始、笑顔を見せていた久々のお立ち台では「チームも僕もまだまだですが、この日をきっかけにもっともっと上にいけるように頑張っていきたい。1つも負けたくないですよね。できるだけ多く勝ちたい」と、今後に向けては引き締まった表情を見せていた。記念すべき1勝ではあるが、あくまで始まりの1勝。平成の怪物、松坂が完全復活に向けて確実に大きな一歩を踏み出した。