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プロ野球

新たな竜エースの誕生!?プロ2年目・柳がプロ初完投初完封勝利!

プロ初完封で今季初勝利を挙げ、ガッツポーズで喜ぶ中日・柳=ナゴヤドーム【写真提供:共同通信社】


明大出身のドラ1右腕がエースの系譜を継ぐ者として大きな一歩を踏み出した。中日の先発・柳裕也が10日の東京ヤクルト戦で、9回を2安打無失点の快投でプロ初完投初完封勝利を挙げた。

 昨季はわずか1勝に終わった柳。前回登板は4月3日の読売巨人戦で3回2/3を4失点で降板。先頭打者の陽岱鋼に与えた死球によって歯車が狂ったが、その反省も活かしながら今季2度目の登板では最高の立ち上がりを見せた。1回表、先頭打者の山田哲人をサードゴロに打ち取ると、西浦直亨とバレンティンを2者連続三振。続く2回表は1死から荒木貴裕に安打を許すも、坂口智隆を1-6-3の併殺打に仕留めて未然にピンチの芽を摘んだ。

 3回裏に味方打線が3点のリードを奪うと、持ち前の打たせて取るピッチングで7回まで三者凡退。唯一のピンチを招いたのは8回表。先頭打者・青木宣親にこの試合初めての四球を与えると、1死から坂口にも四球。しかし、廣岡大志をライトフライに打ち取ると、続く代打・大村孟は「自信を持って投げられた」と2年目の武器として引っ提げた新球のチェンジアップで空振り三振に。9回表も1死から安打で走者を背負ったが、最後はバレンティンをピッチャーゴロに打ち取り、一人で試合を締めくくった。

 試合後の柳は「前回、うまく投げようとし過ぎた。1球1球、腕を振ることを意識した。(完投は)その積み重ねです」とプロ初完封を振り返りながら、「先発は他にもいますし、1軍にいないかたの中にも素晴らしいピッチャーがたくさんいる。前回、ひどいピッチングをしていたので、きょうがダメだったら入れ替えもあるという気持ちでマウンドに上がった」と強い気持ちを明かした。

 中日のエースピッチャーには明治大学出身右腕という系譜が存在する。球団初の日本一に導いた往年の名投手・杉下茂をはじめ、星野仙一や川上憲伸と竜の一時代を築いてきたビッグネームが揃う。柳裕也にとって2018年4月10日は、竜のエースの道を歩み始めたスタートの日となるに違いない。