◆ 今季の最優秀選手は？

　今シーズンのメジャーリーグにおける最も優れた選手、「MVP」が決定。ア・リーグはマイク・トラウト（エンゼルス）が2年ぶり2度目の受賞、ナ・リーグはクリス・ブライアント（カブス）が初受賞を果たした。

　昨日発表になった「サイ・ヤング賞」と同様、全米野球記者協会（BBWAA）所属の30名による投票で受賞者が決まるメジャーのMVP。ただしMVPに関しては順位を10位まで決め、1位から順に10点、9点、8点…と下がっていく方式となる。

　投票の結果、今年はア・リーグが25歳、ナ・リーグは24歳というフレッシュな顔ぶれに。新時代の到来を予感させる2人が受賞した。

◆ 早くも2度目！チームは苦しむも高い支持

　トラウトはエンゼルス所属の25歳。この若さにしてすでにMVP争いでは“常連”となっており、レギュラーに定着した2012年以降は「2位・2位・1位・2位・1位」と常に2位以内をキープしている。

　今シーズンは苦戦したチームの中で奮闘。159試合の出場で打率.315、29本塁打、100打点をマーク。盗塁も30個決め、自身2度目のトリプルスリーにあと一歩と迫った。

　出塁率.441はリーグトップで、OPS.991はデービッド・オルティス（レッドソックス）に次ぐ2位。安定してハイパフォーマンスを発揮したことが評価され、2年ぶりの栄誉を掴んだ。

【ア・リーグMVP投票】※100ポイント以上
356 pts.[19/8/1/0/1/0/1/0/0/0]　マイク・トラウト（エンゼルス）
311 pts.[9/17/4/0/0/0/0/0/0/0]　ムーキー・ベッツ（レッドソックス）
227 pts.[0/2/15/11/2/0/0/0/0/0]　ホセ・アルテューベ（アストロズ）
200 pts.[0/2/9/7/6/4/0/1/1/0]　ジョシュ・ドナルドソン（ブルージェイズ）
150 pts.[0/0/0/5/7/9/4/3/1/1]　マニー・マチャド（オリオールズ）
147 pts.[1/1/0/3/4/8/5/4/3/1]　デービッド・オルティス（レッドソックス）
135 pts.[1/0/1/3/6/2/7/5/1/1]　エイドリアン・ベルトレ（レンジャーズ）
※カッコは投票の内訳

◆ 史上4人目の“新人王の翌年MVP”

　ブライアントはカブス所属の24歳内野手。カブスを108年ぶりのワールドチャンピオンに導いた若きスラッガーが、メジャー2年目にしてMVPを受賞した。

　今シーズンは打率.292、39本塁打、102打点と主要3部門すべてでキャリアハイの成績をマーク。記者30人中29人が1位で投票し、残る1人も2位で投票。計415点の“準満票”での受賞となった。

　ちなみに、「新人王を受賞した翌年にMVPも受賞」は長いメジャーの歴史でも数少なく、カル・リプケンJr.、ライアン・ハワード、ダスティン・ペドロイアに次いで史上4人目という快挙である。

　その他、唯一流れた1位票を獲得したメッツのダニエル・マーフィーが245ポイントで2位。イチロー以来の新人王＆MVPに注目が集まったコリー・シーガー（ドジャース）は、合計240ポイントで3位だった。

【ナ・リーグMVP投票】※100ポイント以上
415 pts.[29/1/0/0/0/0/0/0/0/0]　クリス・ブライアント（カブス）
245 pts.[1/11/10/6/1/0/1/0/0/0]　ダニエル・マーフィー（メッツ）
240 pts.[0/11/10/7/2/0/0/0/0/0]　コリー・シーガー（ドジャース）
202 pts.[0/3/4/10/10/1/2/0/0/0]　アンソニー・リゾ（カブス）
199 pts.[0/3/6/6/11/3/0/0/0/1]　ノーラン・アレナド（ロッキーズ）
129 pts.[0/1/0/1/2/12/6/4/2/1]　フレディ・フリーマン（ブレーブス）
100 pts.[0/0/0/0/1/4/12/5/5/1]　ジョーイ・ボット（レッズ）
※カッコは投票の内訳

◆ マイク・トラウト

＜今季成績＞
159試合　打率.315（549－173）　本塁打29　打点100
得点123　二塁打32　三塁打5　塁打数302
盗塁30　四球116　死球11　三振137
出塁率.441　長打率.550　OPS.991

◆ クリス・ブライアント

155試合　打率.292（603－176）　本塁打39　打点102
得点121　二塁打35　三塁打3　塁打数334
盗塁8　四球75　死球18　三振154
出塁率.385　長打率.554　OPS.939