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【2018年注目の男たち①】「頭の中には常に野球」の天才打者がドラフト1位目指す 辰己涼介(立命館大)

 大学2年時から侍ジャパン大学代表に選出され、走攻守三拍子揃った外野手の辰己涼介(立命館大)。やや細身の体から放つ力強い打球と、身体能力を生かした守備や走塁で今秋のドラフト上位候補に挙がっている。


辰己涼介(たつみ・りょうすけ)・・・1996年12月27日生まれ、兵庫県神戸市出身。大淀ボーイズ(硬式)→神戸三田ドジャース(硬式)→社(兵庫)→立命館大。180cm72kg。右投左打。外野手。

★圧巻の狙い打ち

「納得いく結果を出して、納得いく(ドラフト指名)順位で選んでもらって、活躍するプランは立ててあります。今年はその目標に向かって進むだけです」
 大学卒業後の志望進路を尋ねると、辰己は落ち着いた口調ながらも強い決意を語った。
 兵庫県立社高校時代は高校1年秋から外野手に専念したが、3年時にはチームのスピードガンで148km/hを計測したほどの強肩だ。「体格が変わった今はどれくらい投げられるか試したいです」といたずらっぽく笑う。また走っても50mは「野球をやっている人にはほとんど負けたことがない」と5秒7の俊足が光る。一番の武器を聞くと「肩と足。どちらかというと肩ですかね」と話す。

 だが、「天才」と言われる所以となっているのは打撃だ。高校通算20本塁打を放ち、立命館大でも1年春から出場し満塁本塁打を放つなど打率.367をマーク。そして大学2年で侍ジャパン大学代表に選出されると衝撃の一発を放つ。
 MLB予備軍とも言える大学米国代表と対戦する日米大学野球の第5戦。辰己は196cm右腕のタナー・ホウク(ミズーリ大/現レッドソックス)の投じた151km/hの球をジャストミートさせると、打球は122mのセンターフェンスを超える文句無しの本塁打となった。やや細身の体ながら「あの打席はホームランしか狙っていませんでした」とサラッと言いのけて力強い打球を放つ様は、まさに天才だ。
 昨年のユニバーシアードでも逆方向に本塁打を放つなど打率.320、5打点の活躍で金メダル獲得に貢献。「舞台が大きければ大きいほど力を発揮できるのかなと思います」と自信を持って話す。

★野球バカ

 プレーについてのこだわりを聞くと、それはシンプルなことだという。
「忠実なプレーをすることですね。僕は“キレイ”と言われたいです。投げ方にしろ、走り方にしろ、打ち方にしろ、オーソドックスなものを目指してやっています」
 これを自然体でできる天性の素質が辰己にはある。そして、頭の中には常にあるのは野球だ。「趣味も野球ですかね(笑)。考えないようにする時もありますが、基本的には野球が大好きですね」と話すように、グラブには「野球バカ」という刺繍が入っている。
 今年は主将にも就任。「経験を生かして、プレーで引っ張っていきたいです」と責任感も携えて、その恵まれた身体能力を最大限に発揮したい。

昨年の侍ジャパン大学代表での野球教室時、少年に優しく指導をする姿も印象的だった。

文・写真=高木遊、打席写真=馬場遼