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ベスト4出揃う!準決勝は早稲田実 VS 福岡大大濠、履正社 VS 札幌第一が対戦【第47回明治神宮大会—高校の部】

投打に渡って活躍を見せた田中雷大(履正社)

第2試合で投打に渡って活躍を見せた田中雷大(履正社)

12日の第1試合は、福岡大大濠のエース三浦銀二が好投を見せた。

三浦は7回二死2、3塁から明徳義塾の1番・田中闘にライトフェンス際の大飛球を打たれたが、平野孝太朗の好捕でピンチを脱出。明徳義塾打線を被安打4、四死球3に抑える完封勝利で、準決勝進出の立役者になっている。

三浦は今秋の福岡県大会で最速144キロを記録している速球派だが、この2回戦は打者に狙いを絞らせない投球術が際立った。福岡大大濠と明徳義塾は10月にも練習試合で対戦しているが、三浦は組み立てを変えていた。

「この間の練習試合はアウトコースに行っていたので、(今日は)インコースを使っていこうと話していた。前は真っ直ぐ系統を多く投げたので、今度はカーブ、チェンジアップを上手く使って、タイミングを外して打たせて取れればいいと思った」(三浦)

内外角と緩急の揺さぶりを使いつつ、『ここ』という場面では高めの釣り球も活用。同室の古賀悠斗捕手と連日ビデオを見ながら1時間は話し合うという研究の成果も生かす、クレバーな投球を見せた。

明徳の名将・馬淵史郎監督も「考えていますよね。今日はインコースのストレートを多めに使っていました。ゆったりしているのにピュッと来るから、打者が差し込まれていましたね」と称賛する好投だった。

福岡大大濠が準決勝で対戦するのは早稲田実業。清宮幸太郎対策を聞かれた三浦は「(清宮を)特別意識はしませんけど、インコースをバシバシ使って、詰まらせられたらなと思います」と抱負を口にしていた。

三浦は県大会から完投を続け、秋季九州大会でも大分商、鹿児島実業、秀岳館を完封してタフネスも証明済。今秋のドラフトで阪神から4位指名を受けた左腕・濱地真澄も輩出した伝統校から、また楽しみな投手が出現している。

明徳義塾 ┃000|000|000┃0
福岡大大濠┃000|101|00×┃2

福岡大大濠:○三浦―古賀
明徳義塾:●北本―筒井

第2試合はタレント軍団の履正社が、福工大福井との接戦を制した。

180センチを超す巨漢が並ぶ履正社打線を苦しめたのが、福工大福井の167センチ左腕・摺石達哉だった。新チーム発足直後の背番号は『18』で、県大会は『13』、北信越大会とこの神宮大会は背番号『10』に昇格したスピード出世男が、小気味のいい投球を見せた。

摺石は初回を三者連続三振で切り抜けて場内を沸かせると、その後も持ち球のスライダーとスプリット、カーブを活かした巧みな投球を見せる。4失点を喫したが9回を完投し、大須賀康浩監督が「よく投げてくれましたね」と称える好投を見せた。

履正社は1回戦の7番・一塁から6番・二塁に打順と守備位置を変えた松原任耶が、4回に2点タイムリー。9番・投手の田中雷大も5回にソロ本塁打を放つなど、6番以降が4打点。下位打線が連日の大活躍で層の厚みを見せ、準決勝進出を決めている。

履正社  ┃000|211|000┃4 2 0
福工大福井┃020|010|000┃3 1 1

福工大福井:摺石―大上
履正社:田中、竹田―片山

文:大島和人
写真:高木遊