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社会人野球

DeNAドラ2右腕・水野はピンチで堂々の投球/楽天ドラ4右腕・菅原は延長11回で力尽きる【明治神宮大会—大学の部】

ピンチで堂々の投球の水野滉也(東海大北海道)

ピンチで堂々の投球の水野滉也(東海大北海道)

 11月12日、「秋の大学日本一」を決める明治神宮野球大会大学の部は2日目が行われ、東海大北海道キャンパスと環太平洋大が2回戦進出を決めた。

★DeNAドラ2右腕・水野が好救援
第3試合・1回戦
東海大北海道 101001000=3
日本文理大  000010001=1
【北】山根、水野—廣辻
【文】弘中、清松、古村、坂本—柏木

「どこからでも行けるように、初回からキャッチボールをしていました」という東海大北海道キャンパスのサイドハンド右腕・水野滉也投手(4年・札幌日大/DeNAドラフト2位指名)。その出番は3点リードの5回無死満塁の場面に訪れた。
「点を穫られても気にしないように、打者に集中して投げました」と振り返った水野は、ピンチからの登板にも動じず腕を振り、内野ゴロの間の1点のみで凌いだ。その後も7・8回と走者を出しながらも、ストレートと変化球(スライダー、フォーク、シュート)のコンビネーションで要所を抑えた。
 9回は「2死からバタバタしてしまいました」と反省の言葉を話したように、2死走者なしから1点差にまで追い詰められたが、味方の落ち着いた守備もあり、薄氷の勝利を掴んだ。

 一方敗れた日本文理大は、先発右腕の弘中裕太投手(3年・光高)を打者1人1球1被安打で交代させるなど、2003年春に投手を小刻みな継投で繋いで日本一の要因となったお家芸「マシンガン継投」の進化系を見せたが、あと一歩届かなかった。

◎日本文理大・中村壽博監督
「(1人1球交代について)これまでも小刻みな投球をしてきた私のやり方からすれば普通のことです。1番打者の竹中くんが1番良い打者なので、1番速い球を投げる弘中で流れを掴もうと思ったので、彼を起用しました」

★環太平洋大がタイブレーク制す
環太平洋大 00001001012=5
大阪体育大 00200000010=3
(延長11回/延長10回よりタイブレーク)
【環】和田—志賀
【大】菅原—出雲

粘りの投球も敗退した菅原秀(大阪体育大)

粘りの投球も敗退した菅原秀(大阪体育大)

 環太平洋大が押部智樹外野手(1年・育英)の決勝2点タイムリーで延長11回に及ぶ激闘を制し、本格派右腕・菅原秀投手(4年・福井工大福井/楽天ドラフト4位指名)を擁する大阪体育大を破った。
「勉強も同じですが、やってきたことが出るんだなと。練習は裏切らないなと思いました」と、野村昭彦監督は感慨深い表情で語った。
 今秋から四国・中国3連盟の代表決定戦で延長タイブレーク(1死満塁からスタート)が導入されたこともあり、土日など練習時間の長く取れる日を利用し、延長タイブレーク用の練習を積んできた。
 また、ベンチ入り唯一の4年生となる左腕・和田洸輝投手(4年・久御山)も高い制球力で要所を締める投球で失点を最小限にとどめ、チームに流れをもたらした。

 一方、敗れた大阪体育大は、菅原が3回に安打を放ち、その後の味方の安打で二塁から激走し、2点目のホームを踏むなど投球以外にも奮闘し、最後までマウンドを守ったが惜しくも敗れた。
「フル回転したリーグ戦の疲労が抜けきれず、調子が悪かったです」と、ストライクを取りに行く投球を心がけたというが、延長タイブレークで打たれ、無念の敗退となった。
 来季以降の抱負として「求められていると思う“三振を奪える”中継ぎ投手になりたいです」と語り、前を向いた。
文・写真:高木遊