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2017.12.20 13:09
永遠の憧れ「甲子園」でのプレー目指し、聖地・神宮で熱戦展開!【マスターズ甲子園東京2017決勝戦 】
かつての高校球児にとって永遠の憧れである「甲子園」。都内野球部OB/OGたちがその舞台でプレーする権利を得ることができる「マスターズ甲子園東京2017」の決勝戦が12月17日(日)、東京都新宿区の明治神宮野球場において開催された。
まずここでは「マスターズ甲子園」の歴史、意義などについて触れていきたい。「マスターズ甲子園」とは、全国高校野球OB/OGが、性別・世代、元プロ野球選手、アマチュア野球選手などのキャリアの壁を越え、同窓会チーム同士で高校時代と同じく「阪神甲子園球場」での夢舞台を目指す大会。ベンチ入りは*3回まで出場できる34歳以下選手と、全イニングに出場できる35歳以上を含めた計50人と、広く門戸が広かれた規定にも特徴を持つ。
*東京大会は4回までだが、甲子園本大会は3回まで34歳以下の選手が出場できる
2004年11月28日(日)に産声を上げた大会は、今年で第14回目。11月11日・12日に16チームが集い8試合が開催された本大会は、予選敗退校選手やその家族も対象とする「甲子園キャッチボール」含め、大きな盛り上がりを見せた。
この日決勝戦が開催された「マスターズ甲子園東京2017」はもちろんその予選大会でもあるが、同時に、もう1つの大きな側面も持っている。
大会を主催する東京都高校野球OB連盟のChairman&CEOである酒井 宏志は、東京都高校野球OB連盟を立ち上げた本人である。立ち上げに際し、東京都高等学校野球連盟に加盟している263校(当時)の全ての硬式野球部OB会に、マスターズ甲子園東京の参加お願いの書面を送り、8校で第1回大会を実施した2008年創設当時(優勝は都立府中西だったが、マスターズ甲子園には8チーム合同の東京都選抜として出場)を振り返りつつ、連盟創設10年目以降の展望をこう語った。
「私たちは10年間、硬式野球をプレーする場を確保・準備することにこだわってきました。東京で高校野球を経験してきた多くの元・高校球児にとって、卒業後に硬式野球をできる場は非常に貴重です。大学・社会人のトップレベルでプレーしてきた選手であっても、一旦そのチームを離れてしまえば、ほとんどは軟式の草野球でプレーしています。もう一度、母校のユニフォームを着て先輩・後輩と一緒に硬式で野球ができる、これがマスターズ甲子園東京大会に参加する大きな魅力だと思っています。
また今年も決勝戦を学生野球の聖地である神宮球場で開催することができました。東京都の球児からすれば神宮は勝ち進めないとプレーすることができない、いわば目標とする場所です。甲子園には出場することができなくても、決勝まで進出すれば神宮球場でプレーできる。このことも参加校のメンバーにとって大きなモチベーションであると感じています。
マスターズ甲子園本大会の参加の優先権は出場校数が多い都道府県に与えられるので、現状東京は2年に1度しか本大会には出場できません。近い将来、東京都高校野球OB連盟の加盟校を今の倍の46校にしたい。そうなれば甲子園への道がもっと開けると同時に、多くの東京都の元・高校球児に硬式野球をプレーする場を提供できる。我々としても、単なる甲子園への予選という位置づけではなく、東京大会に参加することそのものにもっと意義があるものとなるよう、社会貢献や東京都内の中学高校の野球部・吹奏楽部・応援団などとの交流を深め、試合以外の施策ももっと充実させたいと考えています」
事実、東京都球児の夢舞台である神宮への切符が大きなモチベーションとなり、マスターズ甲子園東京も10年前と比べ大きく発展した。今大会は16校が予選大会に出場。4校ずつ4組に分かれてリーグ戦が行われ、リーグ1位となった城北・國學院久我山・都立立川・東亜学園が駒沢球場での準決勝に進出し、明治神宮野球場でのプレーを目指した。メディアでの注目度も増し、これまでは考えられなかった朝日新聞・日刊スポーツなどの主要メディアでも試合結果などが報じられ、決勝戦はMXテレビによる収録も行われた。
かくして決勝戦は快晴の下、13時30分からプレーボール。試合は國學院久我山の攻撃力が序盤から爆発した。1回裏に一死二塁から3番・森山の当たりが敵失を誘い1点を先制すると、二死二塁から先発投手の5番・大久保が一塁強襲の内野安打で追加点。2回裏にも、二死から森山が適時二塁打を放ち2点を追加。
さらに國學院久我山は4回裏にも2番・橋本の適時打と内野ゴロで6対0。5回裏も4点。6回裏にも1点を追加し、11対0で2時間を越えて新しいイニングに入らない決勝戦規定による最終回7回表の守りについた。
しかし、ここで城北は意地を見せる。無死満塁から押し出しと併殺崩れで2点を返し、さらに4番・杉山、6番・坂井の適時打とバッテリーミスで、計5点。試合の流れを一気に引き寄せる。選手の家族だけでなく、教員や現役野球部も応援に駆け付けた城北の応援席もようやく始まった反撃に大きな盛り上がりを見せた。ただ、城北の猛反撃も同点までは及ばず、國學院久我山が11対5で勝利。マスターズチーム発足2年目で初優勝を決めた。
閉会式後は両チーム同士で記念撮影。さらに「少しでも家族の方の理解を得て、応援してもらえるようになれば」(東京都高校野球OB連盟・酒井CEO)と、選手たちの家族も球場まで降りて撮影やベースランニング・キャッチボールを行うなど和気あいあいとしたムードに包まれた「マスターズ甲子園東京2017」。
なお、今大会優勝を決めた國學院久我山マスターズチームは、2016年優勝の都立立川マスターズチームと2018年4月実施予定のプレーオフ(場所は未定)で対戦。その勝者が晴れ舞台・阪神甲子園球場で開催される「第15回マスターズ甲子園2018」への出場資格を得ることになる。
マスターズ甲子園東京2017決勝戦
12月17日(日)13:30プレイボール 明治神宮野球場
2時間制(7回打ち切り)
城北マスターズ 0000005 5
國學院久我山マスターズ 220241× 11
(バッテリー)
城北:青柳、有田、中村、高草木、坂井-米吉、浜本、橋本、用、杉山
國學院久我山:大久保、李、高橋、古賀、松瀬、荒井―小成
【マスターズ甲子園東京】登録メンバー