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プロ野球

早稲田大OBらによる「プレイボール プロジェクト」が開催!約160人の子供たちが"野球の楽しさ”に触れる!

子供たちとハイタッチをする田中浩康(横浜DeNA)、武内晋一(東京ヤクルト)、重信慎之介(巨人)、石井一成(北海道日本ハム)とJR東日本の吉永健太朗、丸子達也、東條航

早稲田大学の野球部OB組織と現役選手により、「Hello! WASEDA プレイボール プロジェクト~野球を始めよう、楽しもう、学ぼう」が3日、早稲田大学・安部球場で行われ、プロで活躍する田中浩康(横浜DeNA)、武内晋一(東京ヤクルト)、重信慎之介(巨人)、石井一成(北海道日本ハム)の4人と社会人の強豪JR東日本に所属する吉永健太朗、丸子達也、東條航の計7人の現役OB選手が参加した。

 「野球の競技人口減少化」、「勝利至上主義に偏りがちな指導」、「知識不足による発育期のケガ増加」と現在の日本球界が抱える課題解決に取り組むべく、早大OBの和田毅を中心にプロジェクトが発足し、昨年は青木宣親選手も加わりイベント開催は今年で3回目。スケジュールの都合で和田選手、青木選手は不参加となったが、この主旨に賛同したプロアマの現役トップレベルの面々が有志で集まり、野球初心者の児童を対象とした“野球遊び”『ならべっこベースボール』、野球経験者の少年野球選手を対象として“打つこと”を中心とした特別ルールで行われる『ワセダゲーム競技会』、“投動作の基本練習おしての真下投げ”を学べる『メンコ講習会』などを実施。約160人の小学生が、野球本来の“楽しい”に触れて無邪気な笑顔を弾かせた。

 開会式の後では現役選手たちが子供たちに凄さを見せるべくデモンストレーション。今回の参加選手の中で最年長となる田中は「野球をさらに好きになってもらいたい。中学生からは厳しさも求められると思うが、小学生までは勝ち負けに拘らずに野球を楽しんでもらいたい」と持ち前の華麗なグラブさばきを披露し、子供たちからは「すごい!」の声。

子供たちの前で華麗な守備を見せる田中浩康と石井一成

ルーキーイヤーを終えたばかりの石井は「学生の時とプロでは立場が違う。いろんな影響力があるので、自分から発信して行きたい」と子供たちと積極的に触れ合い、子供たちにベースランニングで自慢の俊足を披露し歓声を浴びた重信も子供たちにエールを送るとともに「野球を始めた頃の忘れかけていた心を思い出させてもらった。貴重な経験ができた」と感謝の言葉。

ベースランニングのスピードで大歓声を浴びた重信慎之介

丸子とともにロングティーに挑んだ武内は、1球でサク越え弾を放って「ホッとしました」と笑みを浮かべるとともに、「野球人口の減少が少しでも改善して、プラスになって行ければと思う。こういうイベントをすることで、少しでも良い方向に進んで行って欲しい」と自らの言葉に力を込めた。

子供たちの前でパワフルなスイングを披露する武内晋一

 地元・西東京市在住の小学生たちに加えて、今年は群馬の野球少年団が招待。当イベントの幹事である北海道日本ハムの大渕隆スカウト部長は、「地方の子供たちに参加して欲しかった。今年で3回目だが、きっかけ、道筋を作ってあげれば、子供たちは野球をしてくれる。まずは楽しむこと。とにかくこのようなイベントを続けることが大切だと思います」と今後の同プロジェクトの発展を誓った。子供の参加は無料で、選手たちも自らの意志を持ってボランディアで参加。中学軟式野球人口がこの7年間で12万人減少(約4割減)しているという野球界の危機的データも存在し、同期間の少子化傾向の約8倍の勢いで減っているという野球人口。野球の創世記から野球界の発展に貢献してきたチームの一つである早稲田大学野球部の志によって生まれたこの日の子供たちの表情に、野球の未来への鍵が映し出されていた。