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社会人野球

「部員224人の代表として」上武大・山下が阪神ドラ2小野との投げ合い制す【第47回明治神宮大会‐大学の部】

これで公式戦50イニング連続無失点となった山下

これで公式戦50イニング連続無失点となった山下

11月11日、「秋の大学日本一」を決める明治神宮野球大会大学の部が開幕。その開幕戦となった試合は、3季連続全国大会4強の上武大が、阪神にドラフト2位指名された小野泰己投手擁する富士大に1対0で競り勝った。
※雨天により第1試合(高校の部)の試合開始が2時間半遅れた影響で、第4試合の大阪体育大対環太平洋大が、12日の第3試合に順延となった。

富士大 000000000=0
上武大 00001000X=1
【富】小野、西村—小林
【上】山下—吉田

★部員224人の代表として
「不安な気持ちがある時でも、マウンドに行く時の大声援で、“みんなの代表として恥じない投球をしよう”と試合に集中できるんです」と大会前に話していた上武大のエース右腕・山下仁投手(4年・須磨翔風)。
 その山下が、部員224人の代表として堂々とした投球を見せ4安打完封。先日のドラフト会議で阪神から2位指名された小野泰己投手(4年・折尾愛真/阪神ドラフト2位指名)との投げ合いを制した。
 打線は小野にわずか4安打に抑えられながらも、吉田高彰捕手(2年・智辯学園)のタイムリーでワンチャンスをモノにした。谷口英規監督は「(走者が出ず)僕は何もしていない。勝てたのは山下のおかげです。動揺することも気負いすぎることもなかったですね」と山下を称えた。
 この大会の予選となる関東地区大学野球選手権でも2試合13回を無失点に抑えてきた山下は、「調子が良くなかったので、変にコントロールを意識せず投げました」と振り返った。
 今春は右肩の腱板を痛めた影響で本来の投球ができなかったが、これまでよりも精神力と投球術を1ランク上げたエースにふさわしいマウンドさばきで、上武大に勝利を運んだ。

200人近いスタンドの応援が今日もナインを後押しした

200人近いスタンドの応援が今日もナインを後押しした

★富士大・小野は1点に泣く
「先頭打者に四球を出してしまいました。防げた失点でした」
 富士大・小野は自己最速タイとなる152km/hをマークし7回4安打1失点と好投したが、唯一の失点を喫した5回を振り返り、悔しそうな表情を浮かべた。
 それでも豊田圭史監督は「クイックや間の取り方も成長し、立ち姿も自信を感じました」と労い、「練習熱心で一日一日努力してきたからこそ、今の姿があると思います」と4年間の成長を称えた。

「ストライクゾーンで勝負できるようになりたいです」と今後の課題を語った

「ストライクゾーンで勝負できるようになりたいです」と今後の課題を語った


文=高木遊
写真=山本晃子